2026.10.05 / ぶち上げインタビュー
【経営者インタビュー】「社長しかないんじゃないか」——14歳の不登校で人生を決めた22歳。株式会社To dream・井戸夢斗さん

「社長しかないんじゃないか」。中学二年生、学校に通わなくなった日々のなかで、彼は自分の人生の行き先をそう決めた。 株式会社To dreamは、下請け業界に特化したショート動画制作サービス「ショート動画日本一の会社」を展開するスタートアップだ。エンドクライアントをあえて取りに行かず、制作会社や代理店といった下請け発注に応え続ける独自のポジショニングで、月間最大600本ものショート動画を量産する。代表を務めるのが、井戸夢斗さん。 兵庫県出身。中学で一年間の不登校を経験しながら、そこから一年で偏差値を30ほど引き上げ、工業高校では資格を十個ほど取得。法政大学に一般入試で合格する。しかし彼は、入学式と
この記事の要点
- 01——なぜそこまで潔く? 井戸さん:そもそも東京に行ったのも、勉強したいからじゃなくて、起業をしたいから行こうと思ってたんですよ。
- 02東京に行けば経営を教えてもらえるんじゃないか、っていうのもあって行った感じですかね。
- 03三ヶ月ぐらいで50万ぐらい稼げるようになったので、割と早めに組織化しないとなというので組織化しちゃって。
※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。
「下請け日本一」を狙う——エンドクライアントを取らない会社
——まずは、いまの事業内容を教えてください。
井戸さん:僕らで言うと、下請け市場日本一を狙っているような、下請け業界に特化しているんですよっていう立ち位置でやらせてもらっています。エンドクライアントを一切取りに行かない、下請けばっかりっていうコンセプトでやっていて。領域で言うと、僕らショート動画を作るのがすごい得意だったりするので、「ショート動画日本一の会社さんです」っていう形でやっています。それがサービス名なんですけど、いま月間最大で600本ぐらいショート動画を作ってやっているという形ですね。
——月に600本。かなりの量ですね。
井戸さん:そうっすね。めちゃくちゃ繁忙期はそれぐらい作っていました。日本一のところが多分、月間3,000本ぐらい作っているんですよ。なので、そこを目指して3,000本ぐらい作らないといけないなと。あとはインフルエンサーのアサインに関しても、ギフティングだったりキャスティングだったり、アフィリエイトみたいなところを連携しながらやっているような形ですかね。
人生を決めた14歳——不登校のなかで「社長しかない」
——どんな少年時代だったんですか。
井戸さん:小学生の時は勉強っていうよりかは、運動会で応援団長をやったりするような感じだったんですけど、中学校になってから急にやる気がなくなっちゃって。中学二年生で一年間、学校に行かないみたいなことをやりまして。
——一年間、丸ごとですか。理由は何かつらいことが?
井戸さん:いや、特になくて。友達が休んでたから「俺も休んで遊ぼう」みたいな感じで、ちょっと遊びみたいな感じです。ただ、そのときに「人生どうしようかな」みたいなことを考えていて。それで、まあ社長しかないんじゃないかと。それが14歳、中学二年生の時ですね。
——身近に経営者がいたわけでもなく?
井戸さん:一ミリもないです。もうただのサラリーマンですし、なんならシングルマザーで、四人兄弟だったんで。完全にYouTubeとか、そういったものに影響されて。ちょうどその時、レペゼン地球の40分動画みたいなのがあって。DJ社長が「やりたいことをやればいい」「俺はイベントをやってバーをやって、いまドームを埋められるようになってる、だからドームに行きたい」みたいな話をしていて。それを見た時に、「あ、そうやればいいんだ」って。
一年で偏差値30アップ、資格十個——「なんだこいつ」と言われた高校時代
——不登校の後、勉強で巻き返したそうですね。
井戸さん:「これは人生やばいな」というところで、急に学校に行き始めまして。受験勉強を一年間頑張ったんですけど、最初テストを受けたら受けたで、全部埋めるんですよ。零点が二点になるだけなのに、「先生が合ってるのにペケつけてるわ」と思ったら「これ間違ってます」って言いに行ったりして(笑)。そこから一年間めちゃくちゃ勉強して、偏差値55ぐらいの高校に入れました。一年間で偏差値を30ちょっと上げた感じですね。
——高校では資格を取りまくったとか。
井戸さん:僕、工業高校に行っていたので、工業系の資格と情報系の資格を、地味に十個ぐらい持ってるんですよ。県から表彰されるような検定もあったりして。ただ、学校に行かないくせに成績だけは取ってたんで、先生には「なんだこいつ」みたいな感じだったと思いますね(笑)。それで最後の一年また勉強して、法政大学に入るっていう感じですかね。
大学は「一日退学」——原宿のクレープ屋で見た景色
——せっかく入った法政大学を、すぐに辞めたそうですね。
井戸さん:法政大学に一般入試で入って、「入学式に入りました」ってなった時に、入学式と、教科書を買いに行くのと、履修登録と、サークルの新歓。それだけ行って辞めてますね。一日退学でございます。
——なぜそこまで潔く?
井戸さん:そもそも東京に行ったのも、勉強したいからじゃなくて、起業をしたいから行こうと思ってたんですよ。なんでかわからないですけど、東京に行けば起業できると思っていて。原宿のクレープ屋さんとかも、人二人ぐらいだったらパンパンなのに、30人40人が並んでるじゃないですか。「ここに僕も出したら、この人よりは絶対うまいクレープ作れるから、僕のほうが絶対儲かるわ」と思って。東京に行けば経営を教えてもらえるんじゃないか、っていうのもあって行った感じですかね。
——お母さまは、反対しませんでしたか。
井戸さん:もちろんありました。「何年やって、ダメなら復学しろ」ってぐらいまで言われて。でも、これプレゼンしたんですよ。「陸上をやれば県大会ぐらいには行ける」「勉強したら法政に入れた」「資格検定はこれぐらい持ってる」「だから就職には絶対困らない」と。そのうえで「いま僕はビジネスをやらないといけないんだ」っていうのをひたすら言ったら、もう「勝手にしろ」みたいな感じでした。
バズらなかった食レポ、4ヶ月で4万フォロワー——独立初期の試行錯誤
——最初から動画制作の知見があったわけではない?
井戸さん:そうなんですよね。実は僕、パルクールができて、バク宙とかもできるんですよ。それを動画に撮ってあげたらバズるんじゃないかって、YouTuberっぽく着地の音をハメて動画を作ったりしてたんです。でも、そんなにバズらなくて。「いや、これはやばい」と思って、今度はスーパーのおにぎりの食レポみたいなのをずっとやってたんですけど。
——それも、なかなか芽が出ず。
井戸さん:全然バズらなくて、お金にもならなくて(笑)。でも、そこで編集はできるようになった感じですかね。スマホでできるレベルですけど。そのうちに「動画編集できます」ってやってたら、インフルエンサーマーケをやってる会社の社長に出会って。「企画を考えてみて」「自己紹介を書いてみて」って言われた時に、全部やりますみたいな感じで、巻き取り力を出してやってたんですよ。
——それが実績につながっていくんですね。
井戸さん:社長から「自分のアカウントを育てたいから動画編集やってほしい」って言われて。企画も撮影も全部やって、一日三本ぐらい毎日投稿したんですよ。そしたら4ヶ月ぐらいでフォロワーが4万人ぐらいになったんです。それを実績に「僕こんなの作ったことあります」ってやってたら、徐々に仕事が増えてきて。三ヶ月ぐらいで50万ぐらい稼げるようになったので、割と早めに組織化しないとなというので組織化しちゃって。
渋谷と日本橋、謎の二拠点——いまの組織体制
——現在はどんな体制なんですか。
井戸さん:僕が代表でやらせていただいて、あと営業とCSが社内メンバー。編集やディレクションは、外部パートナーと一緒にやっているような形です。業務委託のメンバーは10名ぐらいですかね。割とそこの提供メンバーも強くなってきたなっていう形です。
——オフィスは渋谷と伺いました。
井戸さん:渋谷と日本橋にあります。本拠は日本橋で、最近渋谷にできたっていう感じで。わざわざ二拠点で、謎なんですけど。いまは渋谷に住んでます。
目指すは上場、そして最年少——「部活のように働く」会社へ
——会社としてのビジョンを聞かせてください。
井戸さん:部活のように働く、みたいなことを僕は言っていて。そういう環境が好きな方には結構おすすめなのかなと。若くて熱量が高い人がいますし、渋谷でSNSの会社っていうところで、成長できる環境は整っているのかなと思っています。報酬も、一年後に数百円上がるみたいなのじゃなくて、しっかりインセンティブをかける給与設計にしているので。
——上場も掲げていると。
井戸さん:そうですね。僕も鶴田くんと同じで、最年少の上場を狙っているんですよ。三年後あたりにはやっておきたいなと。いま22歳になっちゃったんで。ここのボードを僕一人でやってきたので、将来経営者になりたい人にはめっちゃおすすめですね。僕の経営が見れるんで(笑)。
——採用では、どんな人と働きたいですか。
井戸さん:素直で、僕のことが好きな人であれば能力はいらないですね。もう未経験でも全然OKで。ポジションとしてはCSと営業。20代とか30代で、「上場する」みたいなところを目指しながらワクワクして仕事できる、そういうところを魅力的に感じてくれる人に来てもらえたら嬉しいなという感じですかね。いま僕がトップ営業だったりするので、ここを塗り替えてくれる人が欲しいんですよね。
くすぶっている人へ——「まず、人に会いに行く」
——最後に、挑戦したいけれど一歩を踏み出せない人へメッセージを。
井戸さん:くすぶってる人とか、挑戦したいけど環境がない人って、割と環境起因なことが多いかなと思っていて。僕とかでもいいですし、いろんな刺激のある人に会ってみて、どう思うかを感じることができれば、動き出せるんじゃないかなと。だから、動き出せていないのであれば、まず人に会いに行くみたいなことを最初にやると、めちゃくちゃいいかなと思っています。
会社概要
会社名:株式会社To dream
代表:井戸 夢斗
事業内容:下請け業界特化のショート動画制作サービス「ショート動画日本一の会社」の運営/インフルエンサーのアサイン(ギフティング・キャスティング・アフィリエイト連携)
所在地:東京都(渋谷/日本橋)
取材・文:黒澤優一(株式会社One Rep)
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