2026.10.14 / ぶち上げインタビュー

【経営者インタビュー】「環境で、人は絶対に変わる」——どん底から営業で這い上がった26歳。訪問販売会社を率いる、川崎さん

「環境で、人は絶対に変わる」——どん底から営業で這い上がった26歳。訪問販売会社を率いる、川崎さん

「環境で、人は絶対に変わる」。 訪問販売を手がける営業会社を率いる川崎さん。メンバーは約10名、その6〜7割をリファラルで集め、残りはフットサルの現場に自ら足を運んで採用する。掲げるのは「環境で人を変える会社」という理念だ。 奈良で生まれ、小中学校ではいじめられ、若気の至りで一度は警察の世話にもなった。大学ではプロサッカー選手を本気で目指す。しかし相次ぐ怪我で挫折し、たどり着いた訪問販売の世で遅咲きの才能が開花した。上場企業のブラックな環境、福祉での起業、そして自分の営業会社での独立。 どん底を知る人間だからこそ語れる「環境の力」がある。若い営業集団を束ねる川崎さんに、その原点と現在地、そして

この記事の要点

  • 01採用は6〜7割がリファラルで、残りはフットサルの場に足を運んで声をかけて集めています。
  • 02どこかで「変わらなあかんな」とは思っていたんですけど、きっかけがなくて。
  • 03川崎さん:俺自身が、どん底で何もなくなったときに営業に出会って、そこから人生が変わったからです。

※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。

いま手がける、訪問販売の営業会社——「環境で人を変える」という理念

——まずは、いま手がけている事業を教えてください。

川崎さん:訪問販売の営業会社をやっています。メンバーは今10人くらいですね。上にメーカーさんがいて、そこと一緒に動きながら、少しずつ自社でできることを増やしている段階です。

採用は6〜7割がリファラルで、残りはフットサルの場に足を運んで声をかけて集めています。体育会系の若いやつが多くて、熱量は誰にも負けない自信があります。

——どんな組織にしたいと思っていますか。

川崎さん:一言で言うと、環境で人を変える会社です。環境で人って、本当に変わるんですよ。関わる人が変わって、レイヤーが上がれば、性格も考え方も変わっていく。

よく「人の根本は変わらない」って言うけど、俺は全然変わると思っていて。だから、変われる環境そのものを用意する会社にしたいんです。

いじめられ、警察の世話にもなった少年時代

「変わらなあかん」とは思っていた

——どんな子どもだったんですか。

川崎さん:出身は奈良で、大学からはずっと大阪です。小中学校のころは、正直いじめられていました。

どこかで「変わらなあかんな」とは思っていたんですけど、きっかけがなくて。むしろ、悪い方に振り切れてしまった時期もありました。

母と祖母の涙で、目が覚めた

——大きな転機があったそうですね。

川崎さん:一度、警察のお世話になったんです。若気の至りというか、金もないし、喧嘩ばっかりで、頭がおかしかった。学校も辞めさせられて、失うものを全部失いました。

いちばんこたえたのは、面会に母と祖母が来てくれたとき。顔を見た瞬間に、母がえぐいくらい泣き出して。ああ、本当にやったらあかんことをしたんやって、初めて腹落ちしたんです。

川崎さん:このままやったら、絶対に良くならへん。だから自分でちゃんと仕事をして、親に恩返しをしようって。

更生の面談で警察の方にもさんざん言われて、その言葉がずっと頭に残りました。出てからは、もう悪いことはしないと決めたんです。

プロサッカー選手を、本気で目指した

「これがプロか」と思わされた同期たち

——大学ではサッカーに打ち込んでいた。

川崎さん:はい、大学に入ってからはプロサッカー選手を本気で目指していました。同期には、いまベガルタ仙台でやっている選手が2人いるんですよ。3つ下には、U-18代表に選ばれたやつもいて。

初めて彼のプレーを見たときは「これがプロか」と思いました。止める・蹴るのスピードとキックの精度、審判にも物怖じせずぶつかっていく気の強さ。基礎の次元が違ったんです。

——ご自身の選手としての手応えは。

川崎さん:正直、怪我が多かったんです。前十字靭帯もやってしまって。大学の真ん中くらいで、「これはもう厳しいな」と。

サッカーが終わったあと、自分には何の武器が残るんやろうって考えて。頭も良くなかったし、こういう人種はやっぱり営業が向いてるんかな、と思うようになりました。

遅咲きの営業マンが、8か月連続で組織1位に

高校の先輩からの一言で始まった

——営業を始めたきっかけは。

川崎さん:高校の先輩に誘われたのがきっかけです。そんなに仲が良かったわけでもないんですけど、飲んでいるときにばったり会って、「稼げるよ」「1件いくらだよ」って。当時の俺はとにかく稼ぎたかったので、その場で「やります」って。

大学2年からは、サッカーと訪問販売を掛け持ちしていました。

——最初から結果は出た。

川崎さん:いや、めちゃくちゃ遅咲きでした(笑)。30人くらいの組織で、半年間まったく結果が出なくて。

それでも続けていたら、半年経ってやっと100万円を超えたんです。そこからは一気に乗って、8か月連続で組織の1位を取りました。このとき、訪問販売という営業のすごさに完全にハマったんです。

上場企業のブラック、そして福祉での起業

——卒業後はどんな道を。

川崎さん:サッカーを諦めきれていなかったので、就職に本気じゃなかった部分もあって。不動産投資の上場企業に入ったんですけど、これがめちゃくちゃブラックで。言葉のパワハラみたいなものもあって、かなり厳しい環境でした。

——そこからどう動いたんですか。

川崎さん:その会社の同期と「こんな会社にはしたくないな」という話になって、友達と一緒に会社を立ち上げました。介護・看護、福祉の領域です。

代表は友達で、俺は副社長として立ち上げから入りました。ただ最初から「俺はいずれ営業で会社を作るから抜ける」とは言っていて。あの若さで福祉に踏み込む会社は、なかなか珍しかったと思います。

——独立のタイミングはどう決めたんですか。

川崎さん:その間もずっと、先輩に誘われた訪問販売を並行して続けていたんです。やっぱり自分は営業でやっていきたいという気持ちが強くて。売上も上がってきたし、そろそろ法人化しようと。それが、今このタイミングでした。

どん底の人間を救える「箱」をつくりたい

——自分の営業会社を作ろうと思った、いちばんの理由は。

川崎さん:俺自身が、どん底で何もなくなったときに営業に出会って、そこから人生が変わったからです。

家庭環境も正直よくなくて。父はいなくて、母と姉と妹と俺の4人でした。姉と俺の父は借金で飛んで、妹の父からは暴力もあった。捕まって、何もない。そんなときに営業に出会って、付き合う人間が変わって、稼げるようにもなって、家にお金を入れられるようにもなった。

川崎さん:こういうどん底の人間を救える箱を作りたい。日本には、若くてしんどいやつがいっぱいいる。そういうやつを救いたくて、この会社を立てたんです。

——いまのメンバーには、どんな背景の人が。

川崎さん:本当に幅広いですよ。普通に育った大学生もいれば、転職を何度も繰り返してきた子、家庭環境が厳しくてずっと現場でやんちゃしてきた子もいます。10人のうち3人くらいは、家庭環境がしんどかったやつです。

そういうメンバーが、今は営業を本気で頑張ってくれている。ありがたいなと思います。

いちばんの悩みは、採用より「教育」

——順調に見えますが、いまの悩みは。

川崎さん:採用よりも、教育ですね。上位にメーカーがいるので、今はそこに任せている部分もあるんですけど、いずれ全部を自社化していきたい。そうなったとき、マネジメントできる人材が要るんです。

2番手、3番手がいない状態から、そこを自分で育てていく。側近を育てるのが、今いちばん難しいところです。

——プレイヤーから経営者になって、やることは変わりましたか。

川崎さん:めちゃくちゃ変わりました。そもそも友達が1人もいない中東京に出てきてってゆうチャレンジだったのでそこもしんどかったです。営業マンのころは、営業だけに全力を注げばよかった。今は営業を伸ばすのは大前提で、採用にも自分で足を運ぶし、教育もやるし、メーカーさんとの関わり方も増えた。やることの数が、一気に増えましたね。

30歳までに年商30億、そして「奈良の3つ目」をつくる

——今後の展望を教えてください。

川崎さん:まずは30歳までの残り4年で、年商30億を目指しています。

その先の、でっかい夢で言うと——デベロッパーです。街づくりをして、自分が作った街で、人の環境を変えたい。会社を始めた理由が「環境」だったので、そこに帰ってくる感覚なんです。

——地元への思いもあるとか。

川崎さん:地元が奈良なんですけど、「奈良といえば?」って聞くと、だいたいみんな大仏か鹿しか言わない(笑)。だから、その3つ目を自分が作りたいんです。

今いる初期メンバーも含めて、一緒に働いてくれる仲間とでっかいことを成し遂げたい。この10人で、大きくしていきたいと思っています。

挑戦の一歩手前にいる、あなたへ

——挑戦の一歩手前にいる人へ、メッセージをお願いします。

川崎さん:何もしなくてもいいけど、何かをした人にしか結果は出ない。まず自分が何をしたいかを考えて、そこから逆算して、必要なものを一つずつ潰していけばいい。

そのうえで俺が思うのは、何をするにしても営業力は絶対に必要だということ。人間は、生まれたときからみんな営業なんですよ。赤ちゃんが「母乳をくれ」と泣くのも営業でしょ。ここを鍛えた人は、何をやってもうまくいく。だからまずは営業をやったほうがいいと思います。

——一緒に働きたいのは、どんな人ですか。

川崎さん:経験も技術も、何もいらないです。ほしいのは、何があってもやめない強さを持っている人。

起業したい人もいると思うけど、結局、辞めずに続けられたやつが一番強い。継続力と忍耐力がある人と働きたい。あとは俺が頑張って、俺のことを好きになってもらえるように努力するだけです。

いじめられた過去も、警察に捕まった経験も、サッカーでの挫折も、川崎さんはすべて自分の言葉で語り切った。どん底を知っているからこそ、「環境が人を変える」という理念には嘘がない。人の気持ちがわかる人間でありたい——その原点が、若い営業集団を今日も動かしている。

会社概要

会社名:株式会社NexRise

事業内容:訪問販売の営業

組織規模:メンバー約10名

理念:環境で人を変える会社

取材・文:河本龍真(株式会社One Rep)

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