2026.08.19 / ぶち上げインタビュー
【経営者インタビュー】「採用と組織の"新しいスタンダード"をつくる」——採用支援と組織支援の両輪で、企業の成長に本気で伴走する。株式会社Nicop・影山乃依さん

「採用って、本来もっと面白くて、もっと成果に直結する仕事なんです。採用と組織支援のあり方を変えたい」 そう語る経営者がいる。株式会社Nicop代表取締役、影山乃依さん。元ラクロス日本代表。新卒でディップ株式会社に入社し、人材会社、フリーランスを経て、26歳で代表として法人を立ち上げた。 Nicopが掲げるのは、**「採用支援と組織支援の両輪」**。ミッション・バリュー策定からブランディング設計、採用戦略、媒体運用、そして入社後の組織開発まで。「採用(入口)」と「組織(中)」を切り離さず、企業ごとに処方箋を組み替えていく。影山さんはこれを「採用と組織づくりのライザップ」と表現する。事業を成長させ
この記事の要点
- 01ミッション・バリューの策定、ブランディング、採用戦略、媒体運用、そして入社後の組織開発まで、一本の線でつなぐ。
- 02たとえば「売上を10億にしたい」と言われたら、その10億を実現するには、どんな組織で、どんな価値観の人が、何人、どのタイミングで必要なのか——そこから逆算して採用と組織を設計します。
- 03「パートナーの目指す姿を本気で実現し、企業と人の価値を最大化する」と「採用と組織のスタンダードを変える」に共感してくれる人が集まる。
※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。
「採用」と「組織」を、両輪で回す
——Nicopさんの事業を、改めて教えてください。
影山さん:一言でいうと、**採用支援と組織支援を、両輪で回す会社**です。
採用って「入口」なんですよ。でも、いい人を採れても、入社後に活躍・定着する組織がなければ意味がない。だから私たちは、採用の設計だけで終わらせない。ミッション・バリューの策定、ブランディング、採用戦略、媒体運用、そして入社後の組織開発まで、一本の線でつなぐ。ここが他社さんと違うところです。
たとえば「売上を10億にしたい」と言われたら、その10億を実現するには、どんな組織で、どんな価値観の人が、何人、どのタイミングで必要なのか——そこから逆算して採用と組織を設計します。
——ただ、誤解のないように言っておくと、**事業そのものをビルドアップするわけではない**んです。事業計画をゼロから引くのはあくまで経営者の仕事。私たちが請け負うのは、「その事業を実現するための、採用と組織」。そこに全力でコミットします。
——よく「お医者さんみたい」と言われるとか。
影山さん:はい。「どこに病気があるんだろう」って調べて、「じゃあこの治療法でいきましょう」って、一社ごとに処方箋を組む。だからうちは、決まった商品をパッケージで売らない。企業ごとに中身を変える。
そのうえで、私たちが目指しているのは「ライザップ」に近い姿かもしれません。診断して終わりじゃなくて、隣で伴走する。もちろん、採用に絶対はない。外部要因も大きいですから。でも、だからこそ成果が出るまで本気で伴走する。「選んでくれたなら、必ず一緒に前に進む」——その覚悟で入っていきます。
「採用コンサル」と名乗っているだけの人が、多すぎる
——なぜ、ここまで間口を広げて見るんですか?
影山さん:別に、全部を支援していない会社が悪いわけじゃないんです。ただ、社内に採用やブランディングの研修がほとんどないまま、「採用コンサル」の看板だけで営業している会社が多い。本当に勉強して、戦略から設計できる人は、正直まだ少ないんです。
その中身のない支援で採用がうまくいかず、割を食うのは企業側。そして、本来すごく面白いはずのHRの仕事で、人が数字に追われて潰れていく。それが、私はずっともったいないと思っていた。だからこの構造を、変えたかったんです。
「設計だけのコンサル」でもない。「媒体運用だけの代理店」でもない。両方が連携していないと、結局、採用は伸びないんです。
だからNicopは、戦略から手法の実行まで、全部を一気通貫でやれるようにしている。**「採用と組織といえばNicop」**——業界の中でそう認識される状態を、本気でつくりにいく。この業界の"新しいスタンダード"を、自分たちが引く。それが私のやりたいことです。
別府生まれ、東京育ち。スキー、バスケ、ラクロス
「親元を離れる」原体験は、4歳のスキー合宿から
——影山さんの幼少期からの経歴を聞かせてください。
影山さん:生まれは大分県別府市です。母の里帰り出産で。生後8ヶ月で東京に引っ越して、そこからずっと東京。母はすごく勉強にコンプレックスがあった人で、私には熱心に教育をしてくれました。
ただ、**4歳の頃から「親元を離れて、大学生のお兄さんお姉さんに引率されて、知らない子たちと班を組んでスキーに行く」というキャンプにずっと通っていた**んです。今思うと、初対面の人と関係を作る練習を、小さい頃からずっと積ませてもらっていた。あれは本当によかったと思っています。
全校生徒の中で、一番早く学校に行っていた
——スポーツも本格的にやられていたとか。
影山さん:本当にいろいろなスポーツを経験しました。中高は東海大学の付属に進んで。本当はバレーボールがやりたかったんですけど、中学にはバスケ部しかなくて。じゃあ体育館で高校のバレーボール部の練習が見える環境で練習しよう、と思ってバスケ部に入ったんです。
同期に経験者の子が一人だけいて、その子に勝つことが1年生のときの目標でした。だから、**全校生徒の中で、誰よりも早く——朝6時に学校に行って、一番に自主練を始めると決めていた**。それを毎日続けていました。
「未経験からでも、日本一、日本代表を目指せる」
大学からはラクロスを始めました。バスケでは自分の限界も見えていて、どんな大学生活を過ごすか悩んでいる中でラクロスの勧誘を受けました。
ラクロスの新入生歓迎会で「バスケ出身の人が今U-19の日本代表の候補に選ばれてるよ」と言われて、『私も、日本代表目指してみたいし、日本一になってみたい!』そう思って始めました。そこから日本一、日本代表になることを、逆算してやっていったら、**大学2年でフル日本代表に呼んでもらえた**。しかもその年が、ワールドカップとワールドゲームズの2大会が同時開催される年でした。
ワールドゲームズって、オリンピックに次ぐ規模の世界大会なんです。その大会に出て得点をとることができたのが今の私の大きな成功体験になっています。「日本一、日本代表を目指す」と決めて、日本一にはなれなかったけど本当に日本代表になれた。あの体験は、今の私の"逆算"の原点になっています。
自己不一致を、なくしていく
「自分がやっていることと、理想の乖離を削る」
——「自分の動力源は自己一致欲求だ」と、ご自身で分析されていましたよね。
影山さん:はい。最近まで、ずっと「私は負けず嫌いと承認欲求で動いてる」と思っていたんですけど、自己分析をかけ直したら、答えが変わったんです。
私の源は「**自己不一致をなくしたい**」という欲求だった。自分が"これは正しい"と思っている状態と、いま自分がやっていること。その**乖離を、一つひとつ削っていく**。それが私にとって一番の燃料なんです。
この感情は、採用の世界でこそ強く出る。本当に勉強して、戦略まで設計できる採用コンサルタントは少ない。私は本質的な採用成功に向けた対策を打ちたい。それを言い切るためには、自分自身が影響力を持っていないといけない。だから走り続けています。
「自分の優先順位を、正しく理解できているか」
——自己分析のやり方も、独自ですよね。
影山さん:そもそも、自己分析の重要度を低く見ている人が多すぎると思うんです。
人間には、それぞれアイデンティティがある。**自分自身の優先順位を、正しく理解できているかどうか**。それが、仕事選びやモチベーションの源泉になる。自分の現在地を正しく理解できていない人が、目指したい場所にたどり着けるはずがない。なのにみんな「自己分析、苦手」で終わらせてしまう。
私は信頼できる人にひたすら壁打ちをしてもらいます。コツがあって、人の欲求やアイデンティティは「意思決定の瞬間」に出るんですよ。「なんでこの大学を選んだのか」「なんでこの人と仕事をしたのか」「いまの優先順位はなぜそうなのか」を全部口に出して、ズレを見つけて、補正していく。それが私の自己分析の型です。
私たちを通して、幸せな人を一人でも増やしたい
根っこにあるのは、**自己実現への欲求**です。ただ、それは自分だけのためじゃない。私たちを通して、幸せに働ける人を一人でも増やしたい。自分がやっていることと理想の乖離を削っていった先に、そういう人が増えていく——その順番なんです。
家族を養うのに、サラリーマンの給料では間に合わなかった
母の統合失調症、祖母の認知症、そして父の死
——これまでの挫折経験についても、聞かせてください。
影山さん:挫折というか今の自分を作る経験の1つと感じたことで言うと、大学4年生のときに、母が統合失調症になったんです。当時は病名も知らなかったから、ただ「最近お母さんが変だな」と思いながら、毎日「今日は普通でありますように」と祈って家に帰っていました。
母は知らないうちに精神的に追い詰められていって、**幻覚を見るようになった**んです。その姿を、目の当たりにしていました。ある日の深夜に、無理やり車に乗せて夜間の精神科に連れて行って、入院してもらったら2週間で落ち着きました。それで安心していたら、社会人1年目でぶり返したんです。同じ時期に、祖母が認知症で600万円を他人に騙し取られて、自営業だった父の会社でも経営がうまくいかず未入金になってしまい、裁判所からの通知書が前日に発覚するみたいなことが立て続けに起きました。
家族のことも仕事も全部きつくて、夜「人生楽しくない、今生きている意味ってあるのかな」と思った瞬間が、一度だけあります。そのくらい自分自身が落ちたタイミングでした。
「これは、サラリーマンじゃ間に合わない」
——起業の直接のきっかけは、何だったんですか。
影山さん:起業の直前のタイミングで、父が倒れたんです。そのまま意識が戻らないまま、約1年間、脳死状態を経て亡くなりました。
母は統合失調症で仕事ができない。祖母も施設に入っている。父は倒れてしまっている。**誰がこの先の医療費と施設費を払うんだ**、と。必死に働いていた時期です。
これは、サラリーマンの給料では絶対に間に合わない。**会社員という選択肢は、もう私には残っていなかった**。起業しかなかったんです。即断でした。本当は社会に対して何か大義が合った方がいいかもしれませんが、起業を決心した本心はそれが、決め手です。
「あなたを歯車にする会社には、絶対しない」
選んでくれた人を、必ず成長させる
——影山さんが、メンバー一人ひとりにここまで真剣なのはなぜですか。
影山さん:いろんな会社がある中で、Nicopを選んでくれている。その意味を、私は重く取っているからです。
20代って、一生のうちでもいちばん大事な時期じゃないですか。地道にやれることを増やして、自分のスキルを上げていけば、30代で、いまの自分が想像もしていないレベルに行ける。それを"その時期"に伝えてくれる人と一緒にいるかどうかで、人生はまったく変わる。
だから「**私を選んでくれた以上、絶対に成長させる**」というのが、社員にもインターンにも向き合う原点です。もちろん、成長は結果としてついてくるもの。「めっちゃ稼ぎたい」「圧倒的に成長したい」が先に立つ人より、**目の前のお客さんやパートナーのために本気になれる人が、結果的にいちばん伸びる**。順番を守れる人と、一緒にやりたいんです。
オペレーションを組まない、マニュアルを増やさない理由
——「歯車にしない」という言葉が印象的でした。
影山さん:Nicopでは、あえて細かいオペレーションを組んでいないし、マニュアルもほとんどない。AIが進化していく時代に、人間が介在する意味って、**自分で考えて動けるところしかない**と思っているからです。
だから一日一日を試行する。自分で目標を立てて、自分で意思決定する。それが組織として機能する仕組みにしている。学生インターンの面接でも「うちは絶対にあなたを歯車にしない」と言い続けてきました。これは、覚悟だと思っています。
応援してくれる人が、自分も成長していく——「ファンクラブ」のような循環
もう一つ、私が大事にしている感覚があって。Nicopには、**私のミッションとビジョンに共感して、応援してくれる人が集まる「ファンクラブ」のような側面**があると思っているんです。
「パートナーの目指す姿を本気で実現し、企業と人の価値を最大化する」と「採用と組織のスタンダードを変える」に共感してくれる人が集まる。その人たちが応援しながら関わってくれることで、結果として自分自身も成長していく。そういう循環をつくりたい。一方通行の支援じゃなくて、共感でつながって、一緒に伸びていく——それがNicopの理想の形です。
AI時代だからこそ、自立思考力を
——最後に、これから株式会社Nicopに興味を持つ人にメッセージをお願いします。
影山さん:私が一番大事だと思っているのは、**AI時代だからこそ、自立して考える力**です。
答えを外から与えられるのを待つんじゃなくて、自分の現在地を正しく理解して、自分で目標を立てて、自分で意思決定する。それができる人、あるいは「それができる人になりたい」と本気で思っている人。押し売り営業じゃなくて、相手のニーズに合った仕事がしたい人。そういう人には、めちゃくちゃ合うと思います。
インテリ系の頭の良さと、体育会系の泥くささ。その両方を伸ばせる場所です。私たちと一緒に、採用と組織の新しいスタンダードを、つくりにいきましょう。ぜひ一度、話しましょう。
* * *
【会社概要】
社名:株式会社Nicop(ニコップ)
設立:2023年5月
代表取締役:影山乃依
事業内容:マーケティング事業/ブランディング事業/コンサルティング事業/求人サイト運営事業
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取材・文:黒澤優一(株式会社One Rep)
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