2026.10.05 / ぶち上げインタビュー

【経営者インタビュー】「怖さの正体って、情報のなさなんですよ」——年収300万台から"三社先"を描く、家業三代目の転職エージェント。株式会社ラプラス・羅智文さん

「怖さの正体って、情報のなさなんですよ」——年収300万台から"三社先"を描く、家業三代目の転職エージェント。株式会社ラプラス・羅智文さん

「怖さの正体って、情報のなさだと思っているんですよ」 20〜30代の若手営業人材を、SansanやSmartHR、ラクスといったSaaS企業や、レバレジーズ・マイナビなどの人材企業へと送り出す。人材紹介と採用代行(RPO)を手がける株式会社ラプラス代表の羅 智文さんは、そう語る。 東京・赤羽で63年つづく家業の三代目。成城学園でサッカーに打ち込んだ少年時代、新卒で選んだのはパチンコ大手・マルハンだった。しかし、半年で退職。無形商材の法人営業を志して飛び込んだ人材業界では、数百人の営業マンのなかで下位からのスタートを切る。その視座を変えたのは、父の死だった。 家業と人材、二つの道を同時に歩む33

この記事の要点

  • 01主に二、三十代の、成長していきたい若手の営業マンと、メガベンチャーやベンチャー、とくに人材業界やSaaS業界とのマッチングをよくやっています。
  • 02もう一つが採用代行の事業で、五十名いないくらいの、人事がいない会社さんの採用人事を代行するイメージです。
  • 03その領域は賃金がすごく低いと言われ続けていて、いい人が集まらないし、挑戦する起業家も少ない。

※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。

まずは事業から——「次の次」を見据える転職エージェント

——いまのラプラスの事業を教えてください。

羅さん:ど真ん中は人材紹介事業です。主に二、三十代の、成長していきたい若手の営業マンと、メガベンチャーやベンチャー、とくに人材業界やSaaS業界とのマッチングをよくやっています。

社名でいくと、SansanさんやSmartHRさん、ラクスさんのセールスポジション。人材だとレバレジーズさんや、マイナビさん、パーソルキャリアさんといったところへ営業職で行く、そういうマッチングですね。

もう一つが採用代行の事業で、五十名いないくらいの、人事がいない会社さんの採用人事を代行するイメージです。

——若手を紹介するとき、大事にしている考え方はありますか。

羅さん:本来その人たちが考えるべきなのは、「次の次」を見据えた転職だと思っているんです。

たとえばSaaSの営業職は人気だし、会社としても安定感がある。でも、いきなりそこは数字を追いかけた経験がないと難しい。だったら、数字の実績を作れる"間の一社"が必要だよね、という発想なんですよ。

無形商材の法人営業を経験することが、二十代後半のキャリアの選択肢をめちゃくちゃ広げることになる。転職の支援と、転職後の現職の支援と、両方をやって長い目でキャリアを上げていく。それができるかなと思っています。


63年つづく、赤羽の家業。その三代目として

元パチンコ屋、いまは蕎麦屋・スナック・ビル運営

——羅さんには、もう一つ大きなストーリーがあるそうですね。

羅さん:家業の三代目、というのがあって。63年になる家業なんですけど、正直そっちのほうがストーリーはえぐいなと思っていて(笑)。

もともとはパチンコ屋をやっていた会社で、東京の赤羽というところで、いまは蕎麦屋やスナック、あとはビルの運営をやっています。地盤に根付いて回ってはいるんですけど、代が変わるタイミングっていろいろ言いやすいよね、ということもあって、そっちはそっちで大変で。関わってくれている業者さんも全部一新したりして。平均年齢が六、七十歳くらいの会社なんですよ。

家業のほうって不動産や飲食で、そこにベット(賭け)したら、その部分でしか広がっていかないなと思っていて。別のところに点を打って、新しい会社で家業をアップデートしていきたい。むしろ二刀流でやっているくらいのほうがいいと思っているんです。会社が100周年を迎えるとき、僕はちょうど70歳になる。そこは目指していきたいなと。


サッカー少年だった、成城学園時代

——学生時代は、どんな環境で過ごされたんですか。

羅さん:ずっと東京ですね。成城学園という、世田谷区にある学校の出身で。芸能人や、二代目・三代目社長の息子が多い感じでした。僕も跡継ぎでしたけど、周りも大きい会社の二代目や、芸能人の子どもが結構いた、みたいな環境でしたね。

小中高はずっとサッカーをやっていました。中学のときに千葉のヴェルディの支部のようなところに入って、ブラジルにサッカー留学もさせてもらって、結構刺激を受けて。ただ、学校を変えてまで強豪校に行くイメージは持っていなかったので、高校も成城学園で。大学ではアイスホッケー部でしたね。


新卒はマルハン。半年で辞めた理由

——一社目はどちらだったんですか。

羅さん:実は、一社目はマルハンというパチンコの会社なんですよ。実家がパチンコ屋で家業のど真ん中なので、その一番の会社に入るのが一番学びになるだろうな、と思って入りました。

でも、結論から言うと半年で辞めたんです。脳の血管が破裂しそうだ、という病気が見つかって。タバコの煙は血管によくないんですけど、当時は分煙のホールがなくて、店舗勤務だったので。それで辞めることになりました。

半年くらい空いたんですけど、経営者になっていくには、無形商材の法人営業で、いろんな業界に関われるものをやったほうがいいなと思って。高校からずっと「お前は家業を継ぐんだよ」と言われ続けてきたので、家業を継ぐ者として必要なものを二十代で得よう、という発想でキャリアを選んでいたんです。


父の死が、視座を変えた

「お金を稼がないと、助けたい人を助けられない」

——人材の会社では、最初から成果を出せたんですか。

羅さん:いや、前半の三年間は、二、三百人いる営業マンのうち、下から十〜二十パーセントくらいのところにずっといました。

転機は、父が亡くなったことでした。余命宣告を受けていて、透析を受けてお金を出し続ければ命がつながる、という状況だったんです。毎月二十五万円くらい。でも、それが払えなくなった瞬間があって、その翌月くらいに亡くなってしまった。

——その経験が、仕事にどうつながったんでしょう。

羅さん:お金を稼がないと、助けたい人を助けられないな、と思って。もっと成果を出すために貪欲になろう、と。そこから成果がグイグイッと出るようになって、達成できるようになっていったんです。

売れなかったときの気持ちがわかる。いま独立して転職エージェントをやっているのは、その経験があるからだなと思います。キャリアに向き合う視線を、あのとき学んだので。


個人事業主を経て、ラプラスを創業

——会社員のあとは、すぐ法人化を。

羅さん:CDC(キャリアデザインセンター)には五年半いて、そのあと二年くらい個人事業主の期間を経ています。

正社員時代の友人が、マイナビで最年少マネージャーみたいなタイトルを取った人で、彼がちょうど独立したタイミングで、一人目のメンバーとして僕が入ったんです。そこの創業に個人事業主として関わって、その後ラプラスを立ち上げた、という流れですね。いまは三期目です。

——いま一緒に働くメンバーは、どんな方が。

羅さん:一人は高校時代の後輩で、マイナビからベンチャーの人事を経て合流した人。同じようにマイナビから独立して合流した人や、元プロ野球選手でリクルートに入ってから合流した人もいます。

みんなどこかしらで人材業界を経由して合流しているんですよ。だから組織としては強いなと思っていて。

僕は自分が成果を出すというより、その人たちが成果を出せるように環境を整備すること、惜しみなくお金も時間も投資することができればいいと思っていて。僕が作るより、みんなが作れる環境のほうがいいなと思っているんです。


相談してほしいのは、こんな人

年収300万台から、中長期で600〜700万へ

——どんな人に相談してほしいですか。

羅さん:やっぱり、初めて転職をするという方ですね。二十代でもいろいろありますが、ど真ん中は二十二、三から二十六くらいの世代かなと。

まさに僕のように、マルハンのような接客業や店舗系で、シフト制で働いていた方。情報が入ってこないんですよ、あの環境だと。でも夢はある。そういう方に、無形の法人営業をお勧めしたいんです。

店舗のときは三百万ちょいくらいだったのが、中長期で六百万くらいを作っていく、というイメージですね。いきなり跳ねることもあると思うんですけど、やっぱり着実というのも大事かなと思っていて。アポが取りにくいなと思ったら、僕たちのCAは実際にその道をたどってきた人間なので、当時のスクリプト集とか、どうやって成果が出るようになったかも渡せる。そういう支援ができるかなと。


障害のある人が「価値がある」と思える世界を

その子のために、独立した

——今後の展望を教えてください。

羅さん:本当に、百億を目指したいと思っていて。百億くらいの影響力を持つことが、いまの人生のテーマに必要だと思っているんです。

そのテーマというのが、障害のある方が「自分たちには価値があるよね」と思える世界を作ること。雇用を生むだけじゃなくて、その人たちが成果を作っている事業を創出することが、社会にとって必要だなと思っていて。

——そのテーマの原点は、どこにあるんでしょう。

羅さん:いま子どもが三人いて、六歳・四歳・零歳なんですけど、六歳の子が障害を持っているんです。そこが、体験のコアな部分で。

その子のために、僕は独立したし、人材の会社もやった。家業も、十八歳以降そういう方を採用できる受け皿になっていくことが、一番の社会貢献だなと思っているんです。

その領域は賃金がすごく低いと言われ続けていて、いい人が集まらないし、挑戦する起業家も少ない。だから人類が全然進歩していないなと思っていて。そこをなんとかしたい気持ちが、めちゃくちゃ強いんですよね。


くすぶっている、あなたへ

——最後に、挑戦の一歩が怖いという方へメッセージを。

羅さん:怖さの正体は、情報のなさだと思っているんですよ。若いときって、本当に何がわからないのかもわからない、という感じだと思うので。

理想を若いうちに決めて一直線に行ける人もいますけど、面談していると、そうじゃないことのほうが多い。だから一番のおすすめは、三十代になったときに可能性がめちゃくちゃ広がっている状態を、まず二十代で作ることなんです。

独立もできるし、いい会社にいるからやれることもある。子どもができたら福利厚生のいい会社に入れる。そういうトータルバランスで可能性が最大化する状態に行くためのキャリアを、二十代で過ごせばいい。それが率直に思う、リアルな部分かなと思います。

いま、AIを使って履歴書・職務経歴書を作成できるサービスも用意していて。答えるだけでできるので、「三社先」を見据えたキャリア支援として、まずはそこから話せたら嬉しいです。


会社概要

会社名:株式会社ラプラス

代表:羅 智文

事業内容:人材紹介事業(20〜30代の若手営業人材のマッチング)/採用代行(RPO)事業

YouTube:https://www.youtube.com/@raplas_sns


取材・文:黒澤優一(株式会社One Rep)


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