2026.09.24 / ぶち上げインタビュー
【経営者インタビュー】「まずは、社員に年収1,000万円を配りたい」——16歳で現場に立ち、24歳で起業した“菊池のセンス”。株式会社K.Sence・代表 菊池郁実さん

「まずは、社員に年収1,000万円を配りたい」 そう語るのは、配管工事業を営む株式会社K.Sence代表・菊池郁実(きくち いくみ)さん。 小学4年生で父を亡くし、中学の途中から学校へ通えなくなった。高校は半年で中退。夢を語る同級生の輪の中で、自分にだけ夢がなかった。学歴もない。それでも「技術で生きるしかない」と、16歳で配管の世界へ飛び込んだ。2年おきに現場を渡り歩き、パワハラに耐え、24歳で起業する。 圧力で人を動かす業界の"当たり前"に、菊池さんは真っ向から抗う。社名の由来は「菊池のセンス」。一人ひとりが責任を持つマネジメントで、辞めそうになった仲間を繋ぎとめてきた。その原点と現在地、そ
この記事の要点
- 01この業界って、社長が圧力をかけて、下の人が「怒られないようにやらなきゃ」って動くスタイルが多いんですよ。
- 02一代で組織を作り上げた人の言葉を、自分の中に入れて、社員さんにアウトプットする。
- 03菊池さん:目標は、2032年までに売上5億円、経常利益で8,000万から1億を叩き出すこと。
※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。
プロフィール
会社名:株式会社K.Sence
役職:代表
氏名:菊池 郁実(きくち いくみ)
パワハラに頼らない、「菊池のセンス」でやる
——社名の「K.Sence」には、どんな由来があるんですか。
菊池さん:菊池のセンスでやってますっていう意味です。この業界って、社長が圧力をかけて、下の人が「怒られないようにやらなきゃ」って動くスタイルが多いんですよ。上の世代の風習として。
でも自分は、それが嫌なんです。自分のセンスとしては、一人ひとりが責任を持つ。頭として「どうしていくの?」「何を考えてるの?」って問い続けたい。
人間は、圧力でビビらせなくても、責任感を持てば自分で変わっていく。そう信じて、K.Senceっていう会社を作りました。
小学4年で父を亡くし、学校に行けなくなった
——生い立ちから伺います。学生時代はどう過ごされていましたか。
菊池さん:学生時代は、途中から学校に行けてなかったんです。小学4年生のときに、父親が癌で亡くなってるんです。そこから家庭も少し崩れていって、いとこに育てられたりして。
菊池さん:学校に行かなくても、許される状況にあって。野放しじゃないですけど、教育がそっちに向いてなくて、自由な方向に進んでいった中学時代でした。だから居やすい人といる時間が増えて、だんだん学校から足が遠のいて。
夢がなかった自分が、「建設業一択」を選んだ
——高校は半年で中退されたそうですね。
菊池さん:はい。夜の仕事もやってたんですけど、このまま卒業しても未来が見えなかったんですよ。同級生って全日制の高校で夢を語ってくるじゃないですか。でも自分には夢がなかった。
どうすれば、同年代からバカにされずに、自分がやりたいようにかっこよく生きられるか。そう考えたときに、人を巻き込む事業をやりたい、と。
菊池さん:学歴がないんで、だったら技術で行くしかない。それで自分の選択肢は建設業一択だと思ったんです。16歳で、配管工事の仕事に触れ始めました。
「安いところに行っちゃダメだ」——2年おきに現場を変えた下積み
——16歳から、どんなふうに働いてきたんですか。
菊池さん:義理の父が配管工事の仕事をしていて、その親会社の方を紹介してもらったんです。18歳までは現場に出られないんで、2年間は工場勤務。18歳からは現場に出て、そこからは2年、2年、2年って、会社を変えながらずっと違う現場に行ってました。
——なぜ、あえて会社を変え続けたんですか。
菊池さん:同じところにいても、成長は同じじゃないですか。より早く成長するには、いろんな人に会って、自分で仕事を取りに行くしかない。
当時は深く考えてなかったんですけど、居やすい安いところに行っちゃダメだっていうのは、本能で分かってたんだと思います。今振り返ると、平然とそれができてたんだなって。
「お前は頭が悪いから」——悔しさが、60冊の本に変わった
——独立までの間に、悔しい経験もあったと伺いました。
菊池さん:結構言われたんですよ。「イクミは頭悪いから会社になんてできない」「俺の会社にいた方がいい」って。数字も苦手で、学校も行ってなかったんで。今思えば、あれは一種の洗脳ですよね。「お前はできないからここにいろ」って何度も言われて。
菊池さん:休憩中に、大勢の前でミスをバカにされて。上の人は笑ってて、若い自分らは「また笑われる」って思いながら昼ご飯を食べに行くんです。社員にも「こんな会社でごめん」って謝ってました。でも、悔しいじゃないですか。
——その悔しさを、どう力に変えたんですか。
菊池さん:「ダメだから」って言われて落ち込むんじゃなく、ダメだからこそ勉強して良くなっていこう、と。22歳くらいから徹底的に本を読み始めて、今は60冊くらい読みました。
経営者の本ってすごいんですよ。一代で組織を作り上げた人の言葉を、自分の中に入れて、社員さんにアウトプットする。それをずっと続けてきました。
サシのご飯で、お酒は飲まない——「どうなりたいの?」を言わせる
——マネジメントで意識していることはありますか。
菊池さん:月に1回、社員と2人でサシでご飯に行くんです。そこで必ず「どうなりたいの?」って聞く。「頑張ります」って返ってきたら、「頑張りますを聞きたいわけじゃない」と。「何をして頑張るのか」を、本人の口から言わせるんです。
菊池さん:自分の口から言うと、責任が生まれるじゃないですか。次に会うときに「考えなきゃ」って頭になる。
だからお酒は飲まないんですよ。飲むと娯楽になっちゃう。真剣に相手の思いを引き出す時間にしたいんで。強いチームを作るために集まった仲間なんで、遊びじゃなく、強くなるために時間を使いたいんです。
——ご自身もお酒とタバコをやめたそうですね。
菊池さん:やめました。24歳で社長になると、「若いのにすごいね」って持ち上げられるじゃないですか。あれが一番良くないなと思って。
まだ何も成し遂げてないのに、気持ちよくなってる場合じゃない。調子に乗るのを避けるために、お酒もタバコもやめました。自分に強くいなきゃいけないんで。
目標は、社員への「年収1,000万円」還元
——今後の展望を教えてください。
菊池さん:目標は、2032年までに売上5億円、経常利益で8,000万から1億を叩き出すこと。結構な数字なんで、何を削って、どういう仕事を取るかを明確にしていかなきゃいけない。すでにそれをやってる社長が近くにいるので、その人たちに徹底的に話を聞いて、やり方を全部吸収していきます。
菊池さん:今は5人で作業をこなしてますけど、これからは自分が現場を任せて、営業や事業拡大に回らなきゃいけない。付き合いのある会社だけだと限界があるんで、新しい出会いを取りに行きます。
——それでも、まず優先するのは。
菊池さん:まずは社員さんに1,000万を配ること。自分が1,000万もらうのは簡単なんですよ。そうじゃなく、動いてくれる人に先に渡したい。渡してからが、社長としての本当の勝負だと思ってるんで。やりたいことは他にもたくさんありますけど、それは全部そのあとです。
くすぶっている人へ——「何に時間を使ったか」が、追って返ってくる
——挑戦したいのに一歩踏み出せない人へ、メッセージをください。
菊池さん:結局、1日の中で何に時間を使ったかが、追って返ってくるんですよ。すぐには成長しない。でも、自分が16歳から24歳までやってきたことが、今の自分を作ってる。過去の自分が、今の自分を作ってるんです。
菊池さん:あと、他人の意見なんてどうでもいいじゃないですか。道端で叫んでる人がいたら「やばいね」って思うけど、1分後にはみんな忘れてるでしょ。
他人は1分で忘れてるのに、言われた本人は1日引きずる。その差って何なんですか。バカバカしくないですか。だから他人に何を言われようが、やりたいと思ったらやる。
菊池さん:気持ちを分かってくれる人、肯定してくれる人は必ずいます。娯楽に時間を使うより、そういう出会いに会いに行った方がいい。過去にやってきた投資が、どんどん成長を生んでくれるんで。やった分だけ、絶対に成長する。諦めなければ、絶対に叶う。そう信じて生きてます。
会社概要
会社名:株式会社K.Sence
代表:菊池 郁実
事業内容:配管工事業(建設業)
従業員数:5名
取材・文:黒澤優一(株式会社One Rep)
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