2026.08.25 / ぶち上げインタビュー
【経営者インタビュー】「5000円もらったら、5000円の価値を感じてもらえたか」——バーとリゾートの複合経営で、誰も支援しない人たちに寄り添う男。クロスグループ・中村智さん

「会計で5000円もらったら、自分がお客さんだったら5000円払う価値があったかを考える。」大阪でバー・カフェ10店舗、和歌山でリゾート施設を展開するクロスグループ代表・中村智さんの言葉だ。20歳で大阪に出てきて営業の世界に飛び込み、800万円の借金を個人で背負うという挫折を経験しながらも、バー経営、そして山を丸ごと購入したリゾート開発へと事業を広げてきた。 転勤族の家庭に育ち、20歳から大阪で働き始めた中村さん。20代前半で大きな負債を抱えながらも少しずつ立て直し、27歳で憧れだったバーを開業。33歳で現在のクロスグループを立ち上げ、大阪でバー10店舗、和歌山でリゾート事業を展開するまでに成
この記事の要点
- 01よく言うのは、例えばバーでお客さんから5000円をいただいたら、自分がお客さんの立場だったら5000円払う価値があったかを考えようということです。
- 021万円払ってもいいと感じてもらえれば必ずリピートしてもらえるし、5000円分の価値しか感じてもらえなければ、お客さんは損したと思ってもう来ません。
- 03でも、自信って何かに挑戦して逃げてしまった経験の積み重ねで失われていくものなので、逆に言えば、小さなことでも自分で決めたことをやり切る経験を積み重ねれば、自信は取り戻せると思っています。
※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。
プロフィール
会社名:株式会社智将(クロスグループ)
役職:代表
氏名:中村智(なかむら さとし)
大阪でバー・カフェ10店舗、和歌山でリゾート事業を展開
BOND交流会で社会的弱者支援にも取り組む
——まず、事業内容を教えてください。
中村さん:大阪でバーやカフェを10店舗展開しているほか、和歌山でマリンリゾート「MARINE-Q」やアドベンチャーリゾート「MOUNT-Q」を運営しています。それに加えて、ホームレス支援や自殺防止団体への寄付を目的とした交流会「BOND」も主催しています。
転勤族の家庭に育ち、20歳で単身大阪へ
陸上部で鍛えた体力を武器に、新しい土地へ飛び込む
——子どもの頃はどんな環境で育ちましたか。
中村さん:両親とも会社員で、転勤が多い家庭でした。千葉で生まれて、小学校までは関東で過ごして、中学・高校は京都です。中学では陸上部で長距離をやっていました。引っ越しが多かったので、友人関係は都度リセットされる感じでしたね。高校卒業後は大学に進学せず、20歳で大阪に出てきて働き始めました。
訪問販売の営業から始まり、20代前半で800万円の借金を背負う
誘われるまま起業し、一人で負債を抱えることに
——大阪に出てきてからのキャリアを教えてください。
中村さん:最初は訪問販売のような営業の会社に入ったんですが、正直、あまり深く考えずに条件だけ見て入ってしまったところがありました。1年も経たないうちに、見知らぬ人から「一緒に会社をやろう」と声をかけられて、その気になって独立したんです。結果的にその人には最後に逃げられてしまって、個人であちこちから借金をさせられていて、僕一人で800万円ほどの負債を抱えることになりました。
もがきながら20代を過ごし、27歳でバーを開業
憧れだったバーの世界に、ようやく踏み出す
——そこからどう立て直していったんですか。
中村さん:そこから24歳くらいまで、いろんな仕事をしながら少しずつ借金を返していきました。24歳の時に一度お店を持って、事業として成功させることができたんです。そこからバーと車屋を始めて、27歳の時にずっと憧れていたバーを本格的に開業しました。
33歳、現在のクロスグループを設立
大きなトラブルも乗り越えながら育ててきた1号店
——今のグループを立ち上げた経緯を教えてください。
中村さん:27歳から33歳までは、店を軌道に乗せるために必死でした。33歳の時に、それまでの反省を踏まえて理想の形を考えて作ったのが、今のクロスグループの1号店です。スタートは良かったんですが、そこから大きなトラブルもいろいろあって、何度も潰れそうになりましたね。
「5000円もらったら、5000円の価値を感じてもらえたか」
お客様ファーストの姿勢を、数字で考える
——経営で大切にしている考え方を教えてください。
中村さん:スタッフには「あれをしろ、これをしろ」と細かく指示するのではなく、自分で考えてもらうようにしています。よく言うのは、例えばバーでお客さんから5000円をいただいたら、自分がお客さんの立場だったら5000円払う価値があったかを考えようということです。1万円払ってもいいと感じてもらえれば必ずリピートしてもらえるし、5000円分の価値しか感じてもらえなければ、お客さんは損したと思ってもう来ません。宣伝に力を入れるより、また来たいと思ってもらえる体験をつくることを大事にしています。
小豆島での原体験から、山を丸ごと購入したリゾート開発へ
「複合施設」と「自然の中の体験」にこだわる
——リゾート事業を始めたきっかけを教えてください。
中村さん:24歳くらいの時に彼女と小豆島に行って、初めてスキーやマリンスポーツを体験して、すごく楽しかったんです。その体験が忘れられなくて、いつか自分でもやりたいと思うようになりました。和歌山に別荘を買って、近くにリゾート向けの土地が出たタイミングで開発を始めました。海側の土地だけでは拡張が難しくなってきたので、山ならもっといろんなことができると思って、山を丸ごと購入したんです。うちのお客さんは大阪から1日かけて来てくれる方が多いので、いろんな遊びが揃った複合施設にすることと、自然を体感できることにこだわっています。家に引きこもりがちな人にこそ、外に出る楽しさを知ってほしいという思いもあります。
誰も支援しない人たちに、寄り添う場所をつくりたい
ホームレス支援・自殺防止・夜の見回り活動に寄付する交流会「BOND」
——「BOND」という交流会について教えてください。
中村さん:参加費3000円をいただいて、その全額を寄付する交流会です。ホームレスに弁当を配る団体、自殺防止の相談電話を運営する団体、夜の見回りをして声をかける団体の3つを支援しています。子ども食堂やペットの里親、障害者雇用の支援は多くの人がやっていますが、ホームレスや自殺を考えている人、道を外れてしまった人たちは、悪いイメージが先行してしまって、誰も支援しないんです。でも、大阪で本当に困っているのはそういう人たちだと思うので、見捨てずに寄り添って、救うきっかけを作りたいと思っています。
今後の展望
フランチャイズで人材を育て、女性が輝ける場をつくる
——今後の展望を教えてください。
中村さん:大阪のバーは今後、直営ではなくフランチャイズで独立してもらう形にしていきたいと考えています。女性の貧困が問題になっている一方で、目標になれるような輝いている女性が少ないと感じていて、うちで店長として育った人にオーナーになってもらう仕組みを作りたいんです。うまくいけば複数店舗を持って、現場に出なくても収入を得られるようになって、時間もお金も人との関わりも手に入れられます。リゾート事業も同じように、ノウハウを教えてフランチャイズで広げていきたいですし、将来的にはBONDの活動とリゾート、バー事業をつなげて、行き場のない人たちの避難場所のような施設も作っていきたいと考えています。
読者へのメッセージ
自信は才能ではなく、積み重ねでできている
——一歩を踏み出せない若者へ、メッセージをお願いします。
中村さん:うちのスタッフにも、「やりたいことがない」「休みの日は家に引きこもっている」という子が多いんです。輝いている人を見て自分もやりたいと思っても、「自分には無理」「自信がない」と思ってしまう。でも、自信って何かに挑戦して逃げてしまった経験の積み重ねで失われていくものなので、逆に言えば、小さなことでも自分で決めたことをやり切る経験を積み重ねれば、自信は取り戻せると思っています。毎日1キロ歩くとか、そのくらい小さなことでいいので、諦めずに続けてみてほしいです。
会社概要
会社名:株式会社智将(クロスグループ)
代表:中村智
事業内容:飲食店経営(バー・カフェ)、リゾート開発、不動産投資、中古車販売、モデル事務所運営
所在地:〒537-0013 大阪府大阪市東成区大今里南1丁目21-12 パークスクエア大今里1608
取材・文:佐藤大遥(株式会社ONE REP)
#経営者インタビュー#クロスグループ#リゾート開発#大阪#人生ぶち上げch
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