2026.08.24 / ぶち上げインタビュー

【経営者インタビュー】「やるからにはインパクトを残したい」——挫折を忍耐力に変え、人材業界のジレンマに挑む。株式会社Peter Pan・笠井基生さん「やるからにはインパクトを残したい」。

「やるからにはインパクトを残したい」——挫折を忍耐力に変え、人材業界のジレンマに挑む。株式会社Peter Pan・笠井基生さん「やるからにはインパクトを残したい」。

人材事業を手がける株式会社Peter Pan(ピーターパン)。採用のインフラを構築し、人材業界が抱える構造的なジレンマの変革を掲げる同社を率いるのが、笠井基生さんだ。 福岡の田舎に生まれ、「やんちゃキャラ」として幅を利かせた少年時代。小学1年生から夢見たプロサッカー選手への道。全国大会に出るような強豪校で高校1年からトップチームに選出されながら、高校2年でBチーム、さらにCチームへと転落する。しかし、その挫折と苦労こそが、いまの経営を支える忍耐力になった。 サッカーで培った粘り強さを武器に、いま「業界を変える会社を創る」ことに人生を賭ける笠井さんに、その原点と現在地、そして見据える未来を伺った

この記事の要点

  • 01ありがたいことに会社としては成長し続けているので、その勢いのまま、良いメンバーをどんどん採用して、組織と業績を今の倍にするくらいの気持ちでやっています。
  • 02他の経営者に負けない強みを挙げるなら、スピード感と行動力、それとここだといえるタイミングでの圧倒的な自信を持って投資できること。
  • 03今期はここに15〜20名、正社員を採用する計画で、今の組織をそのまま倍にするくらいの勢いでいきたいと思っています。

※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。

「人材業界のジレンマを変革する」——採用のインフラをつくるという挑戦

——まず、いまどんな事業をされているのか教えてください。

笠井さん:人材紹介、人材コンサル、いわゆるHR業界ですね。

ただ、僕らがやりたいのは単なる人材紹介じゃなくて、採用のインフラそのものを作っていくこと。人材業界って、構造的なジレンマを数多く抱えているんですよ。そこにインパクトを残したい、変革したいというのが根っこにあります。

——代表でありながら、いまも現場に出続けているそうですね。

笠井さん:まだ、今はバチバチ出ますね(笑)。今朝も8時からずっとオンラインで、1時間ごとに商談みたいな感じでした。このままだと経営者としては良くないことは分かってますが今は理想な経営者になるために、あえてです。

ありがたいことに会社としては成長し続けているので、その勢いのまま、良いメンバーをどんどん採用して、組織と業績を今の倍にするくらいの気持ちでやっています。


福岡の「やんちゃキャラ」——多動で、いつも幅を利かせていた

何をしても怒らない、経営者の父

——どんな少年時代でしたか。

笠井さん:出身は福岡の田舎です。電車は30分に1本くらい、でも博多までは車で30分で行けるみたいな場所ですね。

幼少期はもう完全に「ワルガキ大将」。運動ができて、身長も高くて、ちょっと面白い。いわゆる番長キャラで、男にも女の子にもモテました(笑)。

実は小学3年生くらいまで多動症で、じっとしていられなかったんですよ。授業中に教室を歩き回ったり、友達を後ろから蹴っ飛ばしたり……いじめっ子か多動症か、みたいな、正直かなりやばいやつでした。でも、そのぶんパワーだけはありましたね。

——ご家庭はどんな環境でしたか。

笠井さん:家庭は裕福だったと思います。父は経営者で、母はパート。父が経営者になったのは僕が中学生のときですが、もともとそういうマインドの人でしたね。

父は何をしても怒らない人で、僕の好きなこと全部に付き合ってくれました。クワガタやカブトムシ採り、虫取り、釣り、サッカーなど……買いたいものも、やりたいことは一緒に叶えてくれましたね。

3ヶ月に1度、必ず親に会いに行く

——ご両親とは、いまも仲が良いんですね。

笠井さん:めっちゃ仲良しです。実は今日もこのあと、福岡に帰るんですよ。3ヶ月に1回、必ず親に会いに行くって決めています。

理由はシンプルで、会える時に会っておかないと、後悔するだろうなと思うから。一泊二日で、飯を食って帰ってくるだけ。それでも行く価値があるんです。


サッカー一筋の青春——トップからBチーム、そしてCチームへ

高校2年、順風満帆からの転落

——小さい頃からサッカー選手が夢だったそうですね。

笠井さん:小学1年生のときから、サッカー選手になりたいと思っていました。そこからはもうサッカー一筋。小中高、サッカーしかやってこなかったですね。

——学生時代、一番つらかった出来事は。

笠井さん:それは、はっきりあります。高校2年生のとき、Bチームに落ちたんですよ。

僕、全国大会や選手権に行くような強豪校で、高校1年のときからトップチームだったんです。それが2年になって、同級生が5、6人トップに上がっていく中、自分は1年間ずっとBチーム。むしろCチームまで落ちました。落ちた瞬間は、もう、めちゃくちゃふてくされましたね。

終電で帰り、朝は6時20分の電車に乗る

——どれだけ努力したのか、わかるエピソードはありますか。

笠井さん:僕は通いの生徒で、家から学校まで片道1時間半かかったんですよ。練習が19時か20時に終わって、そこからさらに2時間くらい自主練していたので、終わるのが23時ごろ。

帰宅は24時過ぎ。それで翌朝は6時20分に電車に乗る。この生活を、毎日、繰り返していました。終電で帰る高校生って、なかなかいないですよね(笑)。

原動力は、反骨心と悔しさ、そして「トップチームで試合に出たい」という目標。あとは親の期待に応えたい気持ちと、単純にプロを目指していたからです。怪我も半年に1回くらいはしていましたが、休むことはなく、引きずりながらでもやっていました。

——その経験は、いまの経営にも生きていますか。

笠井さん:もう、ガッツリ生きてます。当時、理不尽なくらい走らされていたので、忍耐力がとんでもなくついたんですよ。

仕事って、悩むことはあっても体力的にきついわけじゃない。あの頃のメンタルを思えば「楽だな」って思えるんです。ちょっとやそっとのことじゃ、めげなくなりました。


プロを諦めた日——「プロだけが人生じゃない」

——プロサッカー選手の夢は、どこで諦めたんですか。

笠井さん:徐々に、徐々に、ですね。「あ、これは無理だな」って現実が見えてきました。

もちろん、めちゃくちゃ悔しかったですよ。でも不思議と、絶望感はなかったんです。「プロだけが人生じゃない」という価値観が、その時にはちゃんとあったんです。「無理だ。でも、他のところでプロになったやつらより頑張ろう」って、すぐに切り替えました。

——学生時代は、遊びも全力だったとか。

笠井さん:死ぬほど遊んでましたよ(笑)。毎週サッカーがOFFの日の前日にクラブに行って、合コンして、みたいな。大学は4年までサッカーを続けましたが、2年生くらいからはアルバイトも始めて、自分で稼いでいました。

ただ、そういう一時的な遊びって、一瞬ハマるんですけど、すぐ飽きるんですよね。クラブも一瞬ハマって、やっぱり飽きた。僕はどうやら、その瞬間だけの楽しさより、仲間と何かを目指して戦うことのほうが好きみたいです。


「会社をくそでかくしたい」——価値観が変わった瞬間

10時間かけて、手書きで自分史をつくった

——ご自身の半生を、自分史として書き起こしたそうですね。

笠井さん:会社のホームページやロゴを作ってもらうとき、まず自分がどんな人生を生きてきたのかを言語化する必要がありました。10時間かけて、ひたすら手書きで書きました。

AIは一切使っていません。あれは、AIじゃ絶対に書けないものだと思います。自分と向き合う、いい時間でしたね。

「ウルフ・オブ・ウォールストリート」から、業界変革へ

——創業当初といまとで、仕事への価値観は変わりましたか。

笠井さん:変わりましたね。もともとは正直、売上を高くして、会社を大きくして、勢いのある「ウルフ・オブ・ウォールストリート」みたいな会社がいいなと思っていたんです。

でも今は、業界を変えたい、人材業界にインパクトを残したいという思いのほうが強い。世の中になくてはならない存在の、先頭に立ちたいんです。

他の経営者に負けない強みを挙げるなら、スピード感と行動力、それとここだといえるタイミングでの圧倒的な自信を持って投資できること。この勢いと勇気はかなり自信があります。とにかく会社を、くそでかくしたいんです。失敗しないためになんて考えたことはないです。どうしたらでかくなるのか。そのために大きな失敗もつきものだと思い、ポジティブに捉えます。なんとかしてくれるCOOの赤沼がいるからエンジン全開なのかもしれないですが(笑)。


採用の決め手は「人として愛せるかどうか」

——いまのメンバー構成と、メンバーへの思いを聞かせてください。

笠井さん:正社員が19名、業務委託が6名です。今期はここに15〜20名、正社員を採用する計画で、今の組織をそのまま倍にするくらいの勢いでいきたいと思っています。

メンバーへの感謝の気持ちは、めちゃくちゃありますよ。その感謝があるからこそ、ちゃんと責任を持って、みんなのキャリアも年収も経験も、頑張った先の未来まで期待以上に見せてあげたい。そう本気で思っています。

——採用する・しないの、最終的な線引きはどこにありますか。

笠井さん:能力や経験ももちろん見ますけど、最終的には人として僕やPeter Panが愛せるか、愛せないかなんですよ。本気で愛を持って育ててあげたいと思えるかどうか。

たとえば、面接で落としても落としても「もう一回お願いします」って食らいついてくる人。しぶとい人ですね。あとは「社長を抜きたいです」って本気で言って、実際に異常なくらい努力しているやつ。ああいう人間は、やっぱりなんだか可愛いなと思います。


どんな人と働きたいか——1〜3年後に独立を見据える25〜27歳へ

——いま、どんな人に来てほしいですか。

笠井さん:具体的に言うと、25〜27歳くらいで、向上心がバチバチにあって、覚悟が決まっている人ですね。

ただ稼ぎたいだけじゃなくて、「会社を大きくした未来を見てみたい」「本気で成長したい」「仕組みを作りたい」。そっち系の人がいいです。

独立志向も大歓迎で、「3年後に独立したい」「早ければ1年後に独立したい」でもいい。そのために、一回Peter Panを大きくする実績を作りたい——そういう考えの人ですね。20代のうちにめちゃくちゃ成長したい人、大きな会社で働くんじゃなく、大きな会社を"作る側"に回りたい人。頑張った先にいい景色があると信じられる、未来志向の人に来てほしいです。


いま、目下の課題は「採用」

——会社として、いま一番の課題はどこにありますか。

笠井さん:やっぱり採用ですね。Peter PanのMVVに合っている方の採用。できていないわけじゃないんですけど、「MORE」って感じです。もっともっと、今のメンバーと同じ志の仲間を採用していきたい。

ビジョンとして掲げているのは「人材業界のジレンマを変革する」こと。まずは主軸のHR・人材業界で、採用のインフラを作っていく。「Peter Panのおかげで、この業界のここが変わって良くなったよね」って言われる、その最前線に立ちたいんです。

そしてゆくゆくは、誰もがキャリアの中で「Peter Panに一度入ったからこそ、今がある」と言えるような会社にしていきたいですね。


挑戦したいのに動けない人へ——「どうせ、いつか死ぬんだから」

挑戦してきた大人は、かっこいい

——挑戦したいのに一歩踏み出せない人に、言葉をかけるとしたら。

笠井さん:冷静に考えたら、どうせ、いつか死ぬんですよ。

「挑戦したい」「挑戦している人が羨ましい」という気持ちと、「でも自分にはできない」という気持ちの間で止まっている人が多いと思う。でも、挑戦しないのは正直めちゃくちゃもったいない。挑戦した先にしか見えない景色があるし、新しい自分にも気づける。その楽しさは、想像以上ですよ。

かっこいい大人って、試練を乗り越えている人なんです。挑戦してこなかった大人と、挑戦してきた大人とでは、かっこよさやオーラ、話の深さが全然違う。同じ視座で戦っている僕の友達は、みんなかっこいいです。

「笠井みたいなやつでも、大きなことができる」

——最後に、これまで関わってきた方々へメッセージを。

笠井さん:今の自分も過去の自分も、周りの人が応援して、期待してくれたからこそ在るものだと本当に思っています。

だからこそ、ちゃんとみんなに恩返しができる器になって、マジで返します。そして、夢と希望を与えたい。

僕は学歴もないし、大した教育を受けた環境にいたわけでもない。それでも今、挑戦してどんどん成長できている。笠井みたいなやつでも、大きなことができるんだ——それを体現して、みんなに自信を持ってほしいんです。


福岡の田舎で幅を利かせた「やんちゃキャラ」は、サッカーの挫折で忍耐力を手に入れ、いま「人材業界のジレンマを変革する」という旗を掲げて走り続けている。稼ぐためではなく、仲間と目標に向かって戦うために。その原点には、少年の頃から一本、「かっこよくありたい」という芯が通っていた。


会社概要

会社名:株式会社Peter Pan

代表:笠井 基生

事業内容:人材紹介(採用支援・人材業界の変革)

組織体制:正社員19名・業務委託6名(今期は正社員15〜20名の採用を計画)


取材:河本龍真 文:佐藤大遥(株式会社One Rep)


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