2026.10.25 / ぶち上げインタビュー

【経営者インタビュー】「どうせ死ぬなら、好きなことを」——京大→野村證券を辞めた男が、店舗事業で高みを目指す。合同会社Be Rainbow・宮崎秀朗さん

「どうせ死ぬなら、好きなことを」——京大→野村證券を辞めた男が、店舗事業で高みを目指す。合同会社Be Rainbow・宮崎秀朗さん

高学歴・大手出身というラベルに、収まらない男がいる。 野村證券の本社法務部で、弁護士や東大・京大卒のエリートたちと肩を並べた宮崎秀朗さん(以下、宮崎さん)。学生時代はサッカー・空手・剣道の3競技を掛け持ちし、京都大学では空手に専念して全国大会優勝も経験。どこをとっても「絵に描いたようなエリート街道」に見えるが、その隙のなさそうなキャリアの裏側には何があったのか。野村證券時代に芽生えた違和感、仲間の離脱という試練。そして「どうせ死ぬなら、好きなことで生きたい」という決断。今回は「人生ぶち上げnote」のインタビューとして、宮崎さんのリアルなストーリーをたっぷり伺った。

この記事の要点

  • 01最初から設計してこうなったというよりは、出会った先輩や経営のイロハを教えてもらった人たちとのご縁がきっかけでスタートしたという感じです。
  • 02未経験からスタートしましたが、どんな事業でも経営の本質は変わらないと思っているので、今は複数の事業を経営しています。
  • 03ただ、振り返ると、空手で結果をつくることができた理由は、サッカーや剣道をやっていたころは「燃えるような目標がなかった」んですよね。

※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。

■ プロフィール

会社名:合同会社Be Rainbow

役職:代表

氏名:宮崎秀朗(みやざき ひであき)

出身:大阪府生まれ・奈良県育ち

学歴:京都大学法学部卒

オーガニックが事業の軸にある理由

——まず現在の事業について教えてください。かなり幅広い印象があります。

宮崎さん:今はオーガニックのセレクトショップ事業がメインですね。そこにオーダースーツ事業、営業代行事業、イベント事業、キャリア支援・起業支援を事業として行っています。セレクトショップは100店舗出店を目標としています。ほかにも飲食事業への参入も視野に入れながら、まず目の前の事業をしっかり拡張させていく段階ですね。

——証券会社出身というキャリアから見ると、「オーガニック」は意外な組み合わせにも感じます。

宮崎さん:そうですよね(笑)。最初から設計してこうなったというよりは、出会った先輩や経営のイロハを教えてもらった人たちとのご縁がきっかけでスタートしたという感じです。未経験からスタートしましたが、どんな事業でも経営の本質は変わらないと思っているので、今は複数の事業を経営しています。

サッカー、空手、剣道——3競技で学んだ「目標の力」

——学生時代から多彩なスポーツをされていたと伺いました。

宮崎さん:空手を14年、サッカーを10年、剣道を3年やってきまして、体育会系の生活でしたね。高校ではサッカー部に入りサッカーに集中していましたが、そこで団体競技の難しさを感じました。自分のポジションではいい活躍をしていても、チームを必ずしも勝ちに導くのは難しいなと感じ、団体競技やチームスポーツは自分には合っていないのではと思ってしまいました。

——それが大学で空手に絞ることにつながったんですか?

宮崎さん:そうです。大学では個人競技があり、学生時代から経験のあった空手に専念して、個人戦でも団体戦でも、いくつかの大会で優勝することができました。ただ、振り返ると、空手で結果をつくることができた理由は、サッカーや剣道をやっていたころは「燃えるような目標がなかった」んですよね。「日本一を獲る」などのような明確なゴールが見えていなかった。でも空手では「日本一になる」と決めていたので、練習でも試合でもそれ以外の時間でも、全力で空手に向き合えた。燃える目標があれば全力になれる、逆に燃える目標がなければどれだけポテンシャルがあっても目覚ましい結果を創ることは難しいというのは、学生時代のスポーツ経験から学んだことで、それは仕事でも通じていると思っています。

野村證券、法務部の精鋭たちとの日々——「ここじゃない」という違和感

——大学卒業後は野村證券に就職されたんですよね。

宮崎さん:はい。本社の法務部、経営企画部というところにいました。3年半在籍しておりました。

——野村證券といえばガツガツした営業のイメージがありますが、法務部というのは意外ですね。

宮崎さん:そうなんです。部署的にはそんなに体育会的な雰囲気じゃなくて、弁護士資格を持っている人が半数ほどいて、東大・京大卒も半分以上いた。穏やかに仕事をしながらも能力と勤勉さを高い基準で兼ね備えている人たちが揃っていました。英語も、TOEICを一生懸命勉強していると「TOEICを勉強している時点で英語できないってことだよね」みたいなことを言われるような。TOEICは満点で及第点くらいの空気でした(笑)。

——そこで、何か変化はありましたか?

宮崎さん:野村證券で働いていたなかで、よくも悪くも大手の企業という感触があって、自分がやっている仕事はそれなりに高度だと思うけど、ほかの人にできないことではなく、替えが効く仕事だなと感じてもいました。

「どうせ死ぬなら、好きなことで生きたい」——独立を決めた理由

——起業しようと思ったのはいつ頃ですか?

宮崎さん:社会人2年目のときですね。もともと就職する際は起業なんて全く考えていなくて、選択肢にすら入っていなかった。ただ、自分のキャリアを広い視野で考えようとして、会社の外でもいろんな人と会う機会を増やした際に、経営者の方と話す機会もあって、そこで「こういう生き方もありか」と選択肢として徐々にもっていった記憶です。

——背中を押した決定的な出来事はありましたか?

宮崎さん:「あの瞬間」みたいなものは、実はなかったんですが、ロジカルに将来のことを考えてみたときに、会社員として働いて、若手のうちになにかチャレンジをしたほうがいいのは間違いないというのはあって、「リスクをとらないことが一番のリスク」だとは思ってました。そこでビジネス書や経済関連の本を読書してきた中で、起業にチャレンジすることはとても合理的だなと感じ、まず動いてみよう、と思って動き始めました。

——どんな出会いが大きかったですか?

宮崎さん:メガバンクのご出身でそこの会社でトップセールスでいらっしゃったメンターに出会って、その方の職業観や人生観やその周りの方々の生き様や実績に心動かされたというのが大きかったです。大学の部活の同期からたまたまつながったご縁でした。そこから「自分の可能性の限界に挑戦したい」という気持ちが固まっていった、という感じです。

「マジか、と思った」——仲間の離脱という、想定外の試練

——起業してから、一番辛かったことはなんですか?

宮崎さん:やっぱり、仲間の離脱ですね。「辞める」とか「離れる」ということをあまりリアルに想定していなかったので、いざそれが起きたとき「マジか」とは思いました。プライベートでいうと婚約者と別れることになった、というようなイメージでしょうか。資金面の苦労ももちろんありましたが、一緒に長く働くだろうと信頼していた人がチームから離れることの衝撃が一番大きかったです。

——どうやって乗り越えましたか?

宮崎さん:次の目標達成を追いかけ続けてきたので、切り替えるしかない、くよくよずっとしてられないというのが正直なところでした。ただ、その経験があって、「人との関係をどう構築していくか」ということをより真剣に考えるようになりました。どのように信頼関係を構築していけばよいのか、ということに関しては知見を蓄えてきているので、その分想定外の衝撃のような体験は無くなってきているように感じます。

「仲間を勝たせることで、自分も勝つ」——Win-Winが軸になるまで

——仕事において大切にされていることはなんですか?

宮崎さん:まずは「Win-Win」ですね。仲間も勝つし自分も勝つ、仲間を勝たせているからこそ自分も勝っているという考えを大事にしてます。片方が負けているような関係にならないように、「与えよ、さらば与えられん」を常に意識しています。そのためにシンプルに「約束を守る」こと「基本を徹底すること」を大事にしています。これは当たり前のことなんですけど、当たり前のことを人並み以上に当たり前にできるかどうかが、一番大事だと思っています。

——そのWin-Win哲学はどこから来ているんでしょう?

宮崎さん:お世話になってきた経営者の方々、あるいはお世話になってきた研修の中で学ばせていただきました。

毎朝7時のミーティング——チームの文化をどう根付かせるか

——今、直近はどんなことに取り組まれていますか?

宮崎さん:メンバーとのコミュニケーションには結構時間を使っています。毎朝遅くても7時からはミーティングをしていることが多く、アナログで会う機会を大切にしています。例えば目標を達成したときにはご飯を食べに行く、旅行に行くとか、プレゼントをするとか、そういうことも定期的にやっていますね。日々試行錯誤しながら効果的なコミュニケーションをとることを考えています。

——チームを動かすうえで、一番大事なことはなんだと思いますか?

宮崎さん:やっぱり人ですね。それぞれのメンバーが自分でリーダーシップを発揮して働けるかどうか。それが事業の強さになると思っています。そのためには、やっぱり信頼関係の構築が土台になる。どこまでいっても、人との信頼関係が一番大事なのかなと。

「1,000万円を稼ぐ経営者」を増やしたい

——今後はどんなことを目指していますか?

宮崎さん:事業の目標としては、セレクトショップ事業を100店舗まで拡張していくことが、まず直近の大きな目標です。他事業への展開も視野に入れながら、今は目の前の事業をしっかり伸ばす段階ですね。セブンイレブン、ドン・キホーテ、ファーストリテイリング、ウォルマートのように、日本、ひいては、世界のインフラとして機能するくらいの影響力、信用力をもった小売業界の企業でありたいですね。

——個人的なビジョンはどんなところにありますか?

宮崎さん:自分がいろんな方のサポートを受けて今があるので、「独立・起業したい」という人を、今度は自分がサポートしていきたいという思いがあります。オーナー経営者として年収1,000万円以上を稼ぐような経営者を100人輩出する、というのも目標です。

「自分の枠の外に出よう」——一歩踏み出せない若者たちへ

——最後に、挑戦したいけど踏み出せない若者へメッセージをいただけますか?

宮崎さん:とにかく、自分の枠の外に出てほしいですね。自分も最初はどうやって行動したらいいかなかなか答えが出なかった時期がありました。でも、いろんな人と出会うことで見えてくるものがある。コミュニティでも会社でもどんな場所でもいいので、どんどん外に出ていく機会を作っていくこと。そのなかで、自分の視座が上がるような人、視界が広がるような人との縁を意図して作っていくこと。それが自分にとって一番パワフルな経験でしたのでお勧めします。

——「意図して」というのが重要そうですね。

宮崎さん:そうです。たまたまじゃなくて、自分から動いて作る縁が大事だと思っています。高い志を持っている人と関わること。その人たちと話していると自分の常識がいい意味でガンガン崩されていく感覚があって。そういう刺激の中に身を置いていると、できることの基準がどんどん上がっていくんですよね。まずは一歩、外に出てみてほしいと思います。

■ 会社概要

会社名:合同会社Be Rainbow

設立:2021年10月4日

代表:宮崎秀朗(みやざき ひであき)

資本金:80万円

事業内容:オーガニックセレクトショップ事業/オーダースーツ事業/営業代行事業/イベント事業/キャリア支援事業

所在地:東京都新宿区西早稲田二丁目8-12 レオーネ早稲田4階

公式サイト:https://be-rainbow.jp/

取材:木村光志 文:佐藤大遥(株式会社One Rep)

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