毎週投稿できないから、企業YouTubeを始められない。そう考える前に、最初の1本を誰に渡すかを決める方が先かもしれません。One Repの関口楽は、継続的に新しい候補者を集めることと、採用の途中で会社への理解を深めることを分けて話しています。
「1本でも使える」と「1本で採用し続けられる」は違う
元動画の30秒以降で関口は、継続的に採用候補者を集めるという意味では1本では足りないと述べています。一方、会社の雰囲気や働く人の考えを伝え、選考中の判断を助ける用途なら、まず1本を作る意味があると説明しています。
この違いを無視すると、運用計画が二つの極端な形に分かれます。一つは、最初から大量投稿を約束して制作が続かなくなること。もう一つは、1本公開しただけで採用活動のすべてを任せてしまうことです。どちらも、動画を使う相手と場面が決まっていません。
撮影日が空いていても、毎週公開できるとは限らない
別の企業YouTubeの運用を解説した動画で関口は、リサーチ、撮影、編集には時間がかかり、AIで簡単に片付くものではないと説明しています。社内の担当者が撮影に出られることと、編集素材を整理し、内容を確認して修正へ返せることは別です。
投稿計画を立てるときは、撮影回数だけでなく、事実確認をする人と最終確認をする人の予定を入れます。確認が滞っているのに撮影だけを増やすと、未公開の素材が増えます。先に直すべきなのは投稿頻度ではなく、止まっている工程です。
最初の1本の利用状況から、次に撮る理由を決める
採用担当者が面談前に動画を案内し、候補者から仕事内容への具体的な質問が出たなら、その疑問を次の動画候補にします。候補者へほとんど案内されていないなら、新作の前に送付するタイミングや担当を決めます。
例えば「仕事の一日は分かったが、入社直後の教育が分からない」という反応が続くなら、2本目は研修や同行の場面が候補です。これは計画例であり、特定の顧客の結果ではありません。単に先月と同じ本数を埋めるより、次の動画が必要な理由を説明できます。
月間の投稿本数は、この必要性と制作できる量の両方から決めます。投稿を減らす場合も放置するのではなく、次にどの疑問を扱うか、いつ判断するかを明確にします。
投稿が止まった1本を使って、待ち時間を特定する
運用記録には、作業した時間だけでなく、誰の返答を待ったかを残します。例えば、金曜日公開の初稿が木曜日夜に届き、事実確認と修正が間に合わなかったとします。これは工程を説明する仮例です。この場合、編集者を増やしても、確認者が判断する時間を取れなければ同じ遅れが起きます。
次の動画では、社内の事実確認、表現の確認、修正、再確認の期限を公開日から逆算します。「初稿の納期」と「公開できる状態になる日」を分けることが重要です。全動画を一律に何日前へ前倒しするのではなく、確認する人の予定と修正範囲から必要な日数を決めます。
さらに修正の理由を、事実の誤り、視聴者の理解に関わる問題、担当者の好みに分けます。重要な誤りは直し、細かな好みの往復で公開が止まる場合は判断者を決めます。投稿頻度を守る体制は、根性よりもこの分担から作ります。

投稿回数を決定する前に制作工程の実態を確認する
動画の担当者は、直近で制作した動画を対象に、企画、撮影準備、撮影、編集、内容確認、修正、公開設定の各工程にかかった実作業時間を振り返ります。動画制作を外部に委託している場合でも、出演者の日程調整や内容の最終確認など、社内で対応すべき実務が残るためです。
動画の制作日数には、実際に手を動かしている作業時間だけでなく、社内での確認を待つ時間も含まれます。たとえ動画の編集作業が早く完了しても、内容を確認する担当者や責任者の予定が合わなければ、動画の公開日は後ろ倒しになります。どの工程で作業が滞りやすいかを具体的に把握することが、実現可能な投稿頻度を設定するための前提条件です。
| 工程 | 決めること | 遅れを防ぐ準備 |
|---|---|---|
| 企画 | 対象者、疑問、撮影する内容 | 次回候補と必要資料を整理する |
| 撮影 | 出演者、場所、撮影可能日 | 通常業務との調整を先に行う |
| 編集 | 担当者、初稿日、素材の受け渡し | 不足素材を撮影後に確認する |
| 確認 | 事実・表現を確認する人と期限 | 修正依頼の窓口をまとめる |
| 公開 | タイトル、画像、概要欄、案内先 | 公開前の確認項目を共通化する |
月2本を制作する場合の計画例
以下の進行表は、月に2本の動画公開を検証する企業を想定した業務計画の例です。推奨する本数や標準的な納期を示すものではありません。実際の制作日程は、自社の体制や制作担当者の作業量に応じて個別に調整してください。
| 週 | 動画A | 動画B | 社内担当者の確認 |
|---|---|---|---|
| 第1週 | 企画・撮影内容の確定 | テーマと出演者の調整 | 2本で扱う疑問が重複していないか |
| 第2週 | 撮影・編集開始 | 企画・撮影準備 | 素材と説明の不足がないか |
| 第3週 | 内容確認・修正・公開 | 撮影・編集開始 | Aの事実と案内先が正しいか |
| 第4週 | 初期の反応を確認 | 内容確認・修正・公開 | 次月に引き継ぐ課題は何か |
動画の公開日だけを進行表に記入すると、公開直前の確認作業が後回しになりやすくなります。編集初稿の提出日、社内確認日、修正の対応期限も同じ表に明記します。動画の公開までに完了すべき全工程を整理しておくことで、作業に遅れが生じた際も早急な日程調整が可能になります。
自社の動画をどこから直すか相談する
One Repでは、目的に合う視聴者、動画に入れる情報、撮影する場面、公開後の使い道を整理したうえで、企業のYouTube制作・運用を支援しています。動画の企画・改善について相談する。
文・編集:One Rep編集部。YouTubeの公式情報と公開動画、当社で整理した企画・制作の知見をもとに構成しています。仕様の確認日:2026年10月4日。

