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ノウハウ

動画制作を外注するときの体制づくり|担当・工数・確認方法

動画編集を外注しても期待した仕上がりにならない、あるいは修正を繰り返しても意図がうまく伝わらないことがあります。そのようなときは、制作担当者の技術だけでなく、発注側と制作者の間で何を作るための依頼なのかが共有できているかを見直す必要があります。

One Rep取締役の関口楽は、X(旧Twitter)への投稿で、制作者が見えること、制作の目的を共有すること、こだわりに見合う評価を考えることを論点に挙げています。関口が挙げた考え方をもとに、企業がYouTube制作チームを組む際の確認事項を整理します。

編集操作と演出の判断を分けて依頼する

カットや字幕を指定どおりに入れる作業と、長い撮影素材から見どころを選んで構成を考える作業では、制作者に求められる判断が異なります。どちらも重要な作業ですが、同じ「動画編集」という言葉で依頼すると、発注側と制作担当者の間で期待する作業範囲にずれが生じやすくなります。

例えば社員への密着動画では、撮影素材のどこを使うか、説明不足の点をどう補うか、誰の視点で話を進めるかといった判断が求められます。発注側が単に完成尺だけを伝えても、そうした演出の意図までは共有できません。

依頼する前に、構成を誰が決めるのか、素材選びをどこまで制作担当者に任せるのか、演出の提案まで求めるのかを明確にします。制作担当者が判断できる範囲と社内へ確認する範囲が整理されていれば、修正が必要になった際もその理由を説明しやすくなります。

実績を見せた会社と今回制作する担当者を結び付ける

制作会社の実績が魅力的であっても、その動画を作った担当者が自社の制作に関わるとは限りません。関口の投稿でも、誰が作ったのかが分かりにくくなる点が、制作者側の手応えや評価における課題として挙げられています。

発注時には、参考実績のどの部分を誰が担当したのか、今回の企画・撮影・編集・最終確認を誰が担うのかを確認します。経験年数や納品本数だけでなく、自社が作りたい動画に近い判断を行ってきた経験があるかを見極めることが重要です。

分業体制そのものが悪いわけではありません。窓口となる担当者が複数の実務者をつなぐ体制であっても、制作意図がどのように伝わり、誰が品質に責任を持つのかが分かっていれば、発注側も協力の仕方を考えやすくなります。

関口楽が、動画を制作するときの判断方法を説明しています。
関口楽が、動画を制作するときの判断方法を説明しています。 出典:YouTube採用最高ch 16:05

制作者に視聴者と動画の目的を伝える

「もっとテンポよく」「感動する感じで」といった指示だけでは、担当者ごとに解釈が分かれてしまいます。誰が見て、何を理解し、見終わった後にどう行動してほしいかを、発注側が最初に共有することが大切です。

採用動画であれば、候補者に仕事内容を理解してほしいのか、経営者の考えを知ってほしいのかによって、動画に残すべき場面が異なります。営業用の動画であれば、顧客からよく受ける質問や、商談前に知ってほしい情報が判断の基準になります。

修正を依頼する際も、単なる好みではなく、視聴者の理解にどう影響するかを伝えます。「この場面を短くしてほしい」と伝えるよりも、「ここでは話の背景が視聴者にまだ伝わらないため、先に説明を入れたい」と理由を説明したほうが、制作担当者からも別の改善案を出しやすくなります。

こだわりに必要な時間を見積もりに含める

関口の投稿では、作業量だけで報酬を決めると、演出に時間をかけることと制作者の採算が合いにくくなる、という問題提起がなされています。ただし、成果に応じた報酬の仕組みについては、当時の仮説や検討段階の内容も含まれています。

実務においては、まず素材の長さ、構成の難しさ、修正の範囲、確認に使える期間の認識をそろえて見積もりを作成します。必要な工数を曖昧にしたまま品質だけを追加で求めても、継続して制作できる体制にはなりません。

成果を評価する際にも、再生数だけで制作担当者の仕事を判断しない配慮が必要です。テーマや出演者、公開時期など、編集以外の要因も再生数に影響するためです。今回の目的に沿った構成だったか、発注側の意図を理解した提案があったかなど、制作担当者が担った範囲を踏まえて振り返りを行います。

振り返りの内容を次の制作へ生かす

納品後に社内だけで評価を完結させてしまうと、制作担当者には何が効果的だったのかが伝わりません。動画に対する視聴者の反応や、採用候補者から出た質問などを、次の制作における判断材料として制作者へ共有します。

うまくいった場面を制作者に伝える目的は、同じ表現を型通りに使い続けるためではありません。何を狙ってどんな反応が得られたのかを共有することで、別の題材を扱う際にもその知見を生かせます。

制作チームの品質は、個人の技術だけで決まるものではありません。動画の目的、判断する役割、必要な工数、振り返りの機会を整えることが、より良い動画を継続して作るための土台となります。

外注先と依頼前に確認する項目

採用担当者や動画の制作担当者は、候補となる制作会社の実績だけでなく、実際に今回の制作を担当するクリエイター自身の過去の担当範囲も結び付けて確認します。

項目 依頼前に確認する質問
実績 紹介された実績動画の中で、今回の担当者はどの作業を担当したか
作業範囲 企画、撮影、編集、動画公開のうち、どこまでを担当するか
判断の分担 構成や演出は誰が提案し、誰が最終決定するか
修正 修正内容はどの制作段階で確認し、想定外の追加作業はどう扱うか
工数と日程 制作本数に対して、必要な作業時間を確保できる日程か
振り返り 公開後の視聴者の反応や次回の改善点を誰が確認するか

発注担当者は、外注先に編集ソフトの作業のみを任せるのか、それとも企画や演出の判断まで依頼するのかを明確にします。外注先に依頼する責任の範囲が広がる場合は、判断に必要な社内情報と、それに伴う作業工数も事前に共有します。撮影1本ごとの準備については、社員密着動画の制作体制と合わせて確認できます。

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出典:制作体制についてのX記事、クリエイターの評価についてのX記事。One Rep編集部が企業向けの実務として整理しました。