求人広告や人材紹介の費用を見直す際、採用動画を既存の施策に組み合わせる方法も検討できます。動画の導入を検討する際は、制作費の安さだけでなく、採用プロセスのどこで活用し、どれくらいの期間使い続けられるかまで考慮する必要があります。
採用にかかっている費用を同じ計算範囲で集計する
採用コストを見直す際は、まず自社の費用を同じ範囲で整理します。求人広告の掲載費や人材紹介会社への手数料だけでなく、採用担当者の作業時間や面接官が選考に使う時間の人件費も含めて整理します。何を費用に含めるかの条件がそろっていなければ、既存の手法と新しい手法を正確に比較できません。
採用人数についても、内定を出した人数なのか実際に入社した人数なのか、集計の基準を統一します。外部で採用単価を抑えられた事例を見かけても、自社と計算条件が異なっていれば、そのまま自社の目標数値として使うことはできません。
採用プロセスの中で動画が担う役割を明確にする
採用動画は、候補者に自社を初めて知ってもらうきっかけとしても、選考に進んでいる候補者の理解を深める説明資料としても活用できます。そのため、まずは動画にどの役割を担わせるかを決めます。
たとえば、会社説明会で採用担当者が話している内容を代替・補足するための動画と、これまで接点のなかった求職者に自社を認知してもらうための動画では、伝える内容も成果の評価基準も異なります。採用プロセスのどの段階を補うのかが明確になれば、かけるべき適切な予算も判断しやすくなります。

初期の制作費と、使い続けるための運用費を分けて計算する
動画は一度制作すれば複数の候補者へ繰り返し案内できますが、更新や管理にかかる工数が不要になるわけではありません。募集条件や組織体制、事業内容が変われば、動画内の説明を修正する必要があります。
数年にわたって活用する前提で費用を比較する場合は、初期の制作費だけでなく、内容を更新する際の見込み費用や担当者の運用工数も含めて計算します。繰り返し使えるという見通しと、実際に使い続けられたという実績は分けて考えることが重要です。
将来の採用人数は確定値ではなく仮定として検証する
複数年の採用コストを比較する際は、動画を経由して何人採用できるかを確定した数値として扱わないようにします。採用人数や活用できる年数の想定を変えた場合に、全体の採用コストがどう変化するかを試算しておく方が、実態に即した判断につながります。
過去の採用実績がある場合はどのような前提条件だったかを確認し、実績がない場合はあくまで仮定の試算であることを明記して検討します。都合のよい採用人数だけを前提に置いて、動画を導入すれば必ず採用費が安くなると判断しないことが大切です。
既存の採用経路と組み合わせて効果を検証する
採用活動を止めずに進める必要がある場合は、現在機能している採用経路を残したまま、動画を補助的に活用する方法もあります。たとえば、人材紹介会社から候補者へ渡してもらう案内資料や、自社の採用サイトに動画を掲載し、候補者の会社理解にどのような変化があるかを確かめます。
実際の選考現場でどのように使われ、候補者にどう受け取られたかを確認した上で、次に制作すべき動画の内容や発信の頻度を判断します。予算を別の媒体へ移すことだけを目的とせず、制作した動画や説明の素材が社内に残り、長期にわたって採用活動で使われ続ける状態を目指すことが大切です。
採用動画の見積もりを同じ条件で比較する方法
採用担当者が複数の見積もりを比較する際は、提示された金額だけでなく、各社が提示する作業内容を同じ条件にそろえて確認します。なお、本記事は各社の費用項目を整理する方法を解説するものであり、One Repの料金表や市場相場を示すものではありません。
| 費用項目 | 見積もりで確認する内容 |
|---|---|
| 企画・取材 | 事前の聞き取り、構成案の作成、質問案の作成が含まれているか |
| 撮影 | 撮影日数、撮影場所、出演者の人数、出張費の適用範囲 |
| 編集 | 完成する動画の本数と長さ(尺)、字幕の有無、修正に対応する範囲 |
| 納品物 | サムネイル画像、短尺版の動画、別用途向けの編集が含まれているか |
| 運用 | 動画の公開作業、数値の分析、次回企画の提案が含まれているか |
| 社内作業 | 出演者の日程調整、資料の準備、動画の確認に必要な時間 |
比較表を作成する際は、制作会社からの見積額と、自社で発生する社内作業の時間を別々に記録します。社内の作業負担を金額へ換算する場合は、設定した時間単価と計算方法もあわせて記録してください。制作会社の見積もりに含まれていない追加作業を事前に確認したうえで、採用動画の最終的な予算を決定します。
自社の動画活用を相談する
One Repでは、採用や集客の目的に合わせた動画の企画、制作、運用を支援しています。現在行っている情報発信の見直しや、最初の一本の企画からご相談いただけます。
文・編集:One Rep編集部。関口楽の原稿をもとに、企業の動画活用について解説しています。
