採用動画は、社長が出演すれば必ず会社の魅力が伝わるとは限りません。採用したい職種や候補者が抱く疑問によって、適した出演者は異なります。出演者を決める際は、肩書きや話のうまさだけで判断せず、誰のどのような仕事を見せるかという観点から検討します。
募集職種に合わせて見せる仕事を決める
営業職の働き方を知りたい候補者と、エンジニアの仕事内容を知りたい候補者とでは、関心を持つ場面が異なります。募集職種に近い社員が出演すると、候補者は入社後の自分の姿を具体的に想像しやすくなります。
採用担当者は、まず候補者が何を知りたがっているかを整理し、その疑問に自身の経験を通して答えられる社員を探します。役職の高さよりも、候補者へ伝えるべき情報と出演者の実務が合致しているかを優先して判断します。
会社の価値観が日々の業務に表れている社員を選ぶ
理念を暗記してきれいに話せる社員だけでなく、日頃の判断や行動に価値観が表れている人を選びます。顧客への対応やチームメンバーへの接し方、業務を改善した経験などに、自社らしさが反映されているかを確認します。
動画の目的によっては、トップの成果を出している社員が適する場合もあれば、入社して間もない社員が候補者に近い視点で当時の疑問や実感を語るほうが適する場合もあります。企画の趣旨ごとに、どの立場の視点が必要かを検討します。

社長と社員で伝える内容の役割を分ける
会社の方針や事業を始めた理由は、経営者が直接語ることで説得力が生まれます。一方で、1日の業務の流れや入社直後に感じた戸惑いなどは、現場の社員のほうが具体的に伝えられる傾向があります。
1人の出演者にすべての要素を説明してもらう必要はありません。経営者の思いと現場社員の実体験がつながっている様子を動画で伝えることで、候補者は会社の方針と現場の働き方を合わせて理解しやすくなります。
出演への意思と公開できる業務範囲を事前に確認する
顔を出しての出演をためらっている社員に無理に協力を求めると、撮影時に自然な発言を引き出しにくくなります。動画の制作担当者は、撮影の目的、完成した動画を公開する媒体、事前の確認フローを丁寧に説明し、本人の同意を得る必要があります。
守秘義務のある顧客情報や私生活に踏み込んで話してもらうことが、実情を伝えることではありません。公開可能な業務の範囲内で、本人が具体的に語れる経験を掘り下げていきます。
事前のヒアリングで撮影すべき具体的な場面を見つける
出演者が決まったら、事前の打ち合わせで成功談だけでなく、判断に迷った経験や工夫した業務について話を聞きます。出演者の回答が抽象的になった場合は「具体的には最近いつありましたか」と尋ねて詳細を確認します。
事前に聞いたエピソードが実際の映像として撮影可能かを確認し、撮影の構成案へ反映します。出演者を選ぶ際は、社内での人気だけで判断せず、候補者が必要とする情報を誰の経験で伝えるかを考えます。
出演者候補を情報の役割で比較する
採用担当者は、話の上手さだけで出演者を決めるのではなく、候補者が知りたい情報を本人の経験に基づいて説明できるかを確認します。
| 伝えたいこと | 出演を検討する人 | 事前に確認する内容 |
|---|---|---|
| 入社直後の経験 | 入社後の経験を具体的に振り返ることができる社員 | 最初に困った業務と、その際に受けた支援 |
| 日々の仕事内容 | 募集職種を担当している社員 | 一日の業務の流れと、判断が求められる場面 |
| 育成の考え方 | 指導を担当する社員や上司 | 業務を任せる範囲と、育成や支援の方法 |
| 会社の方針 | 方針を説明できる経営者や責任者 | 会社の方針が実際の判断に表れた場面 |
一人の出演者がすべてを説明する必要はありません。採用担当者は、出演の意思、公開可能な情報の範囲、撮影日程もあわせて確認します。また、社員に期待する回答を暗記させるのではなく、本人が経験した具体的な出来事を事前に聞き取ることが大切です。
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文・編集:One Rep編集部
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