会社の魅力を並べるだけでは、候補者が入社後に働く姿を具体的にイメージできるとは限りません。採用動画を制作する担当者が、候補者の入社判断に必要な要素を事前に整理できるよう、撮影前に把握しておきたい6つの情報をまとめました。
具体的な仕事内容と一日の流れを映像で伝える
採用動画の制作担当者が最初に整理したい情報は、①具体的な仕事内容と、②一日の仕事の流れです。担当する業務の内容、仕事で関わる相手、業務完了までの手順が視聴者に伝わるように構成します。
社員の一日の流れに沿って映像を構成する場合も、移動や食事の場面ばかりが続いて本題の仕事内容が薄くならないように注意が必要です。その業務時間中に社員が何を考え、どのような準備をしているのかまで映像とコメントで示すことで、候補者は仕事の実態をより具体的に把握できます。
周囲の社員との関わりと成長の過程を整理する
次に整理する情報は、③周囲の社員との関わりと、④仕事を覚えていく過程です。動画の制作担当者は、社員が業務で困ったときに誰へ相談し、周囲からどのようにサポートを受けているのかを事前に確認します。また、その社員が入社直後から現在に至るまで、任される仕事がどう広がっていったのかを聞き取ります。
現在成果を出している姿だけでなく、入社初期につまずいた経験や難しかった点も動画内で伝えることで、候補者は入社後に自分がどのように成長していくかを想像しやすくなります。

業務の難しさと仕事を続ける理由の両面を提示する
残る二つの情報は、⑤仕事の大変さや求められる成果の基準と、⑥会社や社員本人が大切にしている価値観です。社員に課される目標や繁忙期の働き方、失敗しやすいポイントなども、候補者が自分に合う環境かを判断するための重要な材料になります。
採用担当者はその大変さを共有したうえで、社員がなぜこの仕事を続けているのか、どのような瞬間にやりがいを感じているのかをインタビューで引き出します。仕事の大変さだけでも、きれいな理想だけでもなく、双方が候補者に伝わるバランスを目指して編集します。
採用課題に合わせて伝える情報の優先順位を決める
これら6つの情報は、1本の採用動画に毎回すべてを均等に盛り込むための基準ではありません。すでに自社の採用サイトや別の動画で詳しく伝えている情報があれば、今回の動画で補うべき項目に絞って時間を割くことができます。
採用担当者は、候補者から面接などで頻繁に出る質問や、選考を辞退された理由などを参考にしながら、自社で不足している情報を優先して選びます。1本の動画に内容を詰め込みすぎて要点が分かりにくくなる場合は、別の関連動画へ案内する導線を設けることも有効です。
語られた言葉と映像の場面が一致しているかを確認する
「相談しやすい環境です」とナレーションで説明しながら、映像では一人で黙々と作業している場面だけが映っていると、候補者に相談しやすさが伝わらないことがあります。動画の制作担当者は、言葉による説明と画面内の映像にズレがないかを確認し、説明内容が視覚的にも伝わる場面を映像として選ぶことが大切です。
動画の公開後は、面接などの場で候補者に「この動画で何が分かり、何がまだ分からなかったか」を直接ヒアリングします。採用担当者や動画制作担当者は、制作時に項目を網羅したことだけで満足せず、候補者の理解や判断に動画が実際に役立っているかを確かめながら改善を重ねていきます。
候補者へ伝えるべき6つの情報を引き出す社員インタビューの質問例
以下は、One Rep編集部が整理した質問例です。動画の制作担当者は、社員の回答に合わせて具体的な場面を掘り下げて質問します。
| 候補者へ伝えたい情報 | 質問例 |
|---|---|
| 仕事内容 | 今日、誰に対してどのような仕事をしましたか |
| 一日の流れ | 出社してから退社するまで、どの業務に時間を使いますか |
| 同僚との関係 | 最近、同僚に相談したのはどのような場面ですか |
| 成長の過程 | 入社時にできなかったことで、今は任されている仕事は何ですか |
| 仕事の難しさ | 判断に迷った仕事と、そのときの対応を教えてください |
| 価値観 | 複数の選択肢があったとき、何を大切にして決めましたか |
社員から「やりがいがあります」という回答が出た場合、制作担当者は「最近そう感じた具体的な出来事は何ですか」と尋ねます。抽象的な感想で終わらせず、その社員が実際に行動した内容や、周囲の反応を確かめるためです。実際の業務風景の映像とインタビューを組み合わせることで、言葉だけでは伝わりにくい仕事の実態を、視聴者へ分かりやすく伝えられます。
自社の動画活用を相談する
One Repでは、採用や集客の目的に合わせた動画の企画・制作・運用を一貫して支援しています。既存の発信内容の見直しはもちろん、最初の1本の企画段階からご相談いただけます。
文・編集:One Rep編集部。関口楽の原稿をもとに、企業の動画活用について解説しています。
