動画で楽しそうな職場を見た候補者が応募しても、入社後に「思っていた仕事と違う」と感じることがあります。採用SNSでは、再生数や応募数の先にある、会社への理解まで見据えて設計する必要があります。YouTube採用最高chで語られた、仕事の実態を見せる考え方を整理します。
採用で目指す結果を、応募の先まで見据える
動画の再生数が伸びたり応募が増えたりすると、施策が成功したように見えます。しかし、採用活動の目的は応募を集めることだけではありません。仕事内容と会社の方向性を理解した人が入社し、力を発揮できるところまで考える必要があります。
元動画は「TikTokでダンスを踊っても採用はうまくいかない」という強い表現で始まります。一方で、One Rep取締役の関口楽は、そうした動画で応募を獲得している会社があることも認めています。ここでの論点は特定の媒体を一律に否定することではなく、「楽しそう」という印象だけで仕事への理解を置き去りにしていないかという点です。

伝わっている印象と、実際の仕事を並べて整理する
社員同士のコントやイベントの映像は、視聴者が職場の雰囲気を知るきっかけになります。ただ、それだけでは日々の仕事内容や追うべき目標、繁忙期の動き方までは伝わりません。
候補者が「楽しそうな会社」と思って入社し、その後に地道な営業活動や厳しい目標へ初めて直面すると、想像との違いに戸惑う可能性があります。問題は楽しい場面を見せたこと自体ではなく、候補者が入社を判断するために必要な情報がそろっていなかった点にあります。
現在の発信を見直す際は、動画から受ける印象と、普段の仕事で求められる実態をそれぞれ書き出してみます。両者が重なっていない部分が、今後補うべき情報となります。

仕事の難しさも、候補者が入社を判断するための情報になる
動画内では、朝早くから働く営業職への密着事例が紹介されています。働き方をありのままに見せたことで、その環境に関心を持つ応募者が集まったという内容です。これは、どの会社にも早朝勤務や長時間労働を勧める話ではありません。
同じ環境であっても、そこに魅力を感じる人もいれば、自分には合わないと考える人もいます。難易度の高い仕事や負荷の大きい時期を隠さず、現場がどう乗り越えているのか、会社としてどんな支援があるのかまで伝えると、候補者は現実に即した判断がしやすくなります。
会社側にとっても、応募数だけを増やすより、入社後のギャップを早い段階で防げる方が有意義な場合があります。
完成した会社の姿を待つより、今の姿を具体的に説明する
「オフィスを移転してから」「社内体制が整ってから」と、動画の制作担当者が撮影を先送りしたくなる場面もあります。しかし元動画では、関口楽が、今の状態を切り取ることにも価値があると述べています。
成長途中の会社であれば、まだ整っていない部分とこれから変えていきたい部分を分けて話せます。代表が過去に失敗した経験も、その後の仕事や判断につながっているものであれば、候補者が会社の価値観を理解する手がかりになります。
単に弱みを並べればよいわけではありません。出演者は、現在の課題、その仕事を続ける理由、目指している会社の姿を説明します。現在の働き方と考え方が結びつくように伝えることが大切です。

短い動画と長い動画で、伝える役割を分ける
短い動画で会社を知ってもらい、詳しい動画や採用ページで仕事内容を確認してもらう、といった役割分担も考えられます。短い動画の形式にとらわれず、その後に会社への理解を深められる詳しい情報へ進める導線になっているかを確認します。
採用担当者は、候補者に対してどの動画を見たかだけでなく、何に魅力を感じたか、気になった点はどこかまで質問してみてください。発信側が伝えたつもりの内容と、候補者が実際に受け取った印象の違いを把握できます。
採用担当者は、楽しい会社に見せることだけを目的とせず、候補者が入社後の仕事内容や働き方を想像できる情報を伝えます。候補者の理解に役立つかどうかを、企画を選ぶ基準にします。
SNS投稿から応募までのどこに課題があるかを確認する
採用担当者は、SNS投稿に対する反応と実際の応募結果を分けて確認します。以下の表は原因を断定するものではなく、次に調べるべき論点を整理するためのものです。
| 起きていること | 担当者が確認する点 | 見直す内容 |
|---|---|---|
| 投稿は見られるが求人ページへ進まない | 視聴者が募集職種や勤務地を理解できているか | 投稿の説明文と求人ページへの案内文 |
| 求人ページは見られるが応募されない | 仕事内容や応募条件に不明点が残っていないか | 求人情報の内容と、動画で補足する仕事の説明 |
| 応募はあるが面接で認識が合わない | 動画で強調した魅力が実態と一致しているか | 職場の魅力と大変さの伝え方 |
楽しい雰囲気の投稿そのものが失敗の原因とは限りません。視聴者が実際の仕事内容や応募条件まで把握できているかが判断の基準になります。採用担当者は再生数だけで投稿を続けるか判断せず、候補者からの質問内容や選考の辞退理由も確認します。
入社前後の認識のずれを検証する具体的な手順は、採用動画とミスマッチの確認方法で解説しています。
自社の採用・集客に当てはめて考える
One Repでは、企業の目的に合わせたYouTubeの企画・制作・運用を支援しています。自社の課題や、動画で伝えたいことが整理しきれていない段階からご相談いただけます。
出典:YouTube採用最高chの元動画。公開動画の内容をもとに、One Rep編集部が論点と実務での確認事項を整理しました。実績・評価は動画内で紹介された時点のもので、同じ成果を保証するものではありません。
参考:同テーマの関口楽のX記事。
