「再生数が伸びない」という悩みだけでは、動画のどこを直せばよいか判断できません。動画が視聴者の画面に表示されたのか、一覧の中から選ばれたのか、それとも見続けてもらえたのかを順を追って確認していくと、サムネイルの課題と動画内容の課題を混同せずに改善策を考えられます。
各指標の意味を整理し、一つの計算式で捉えない
インプレッションは対象となるサムネイルの表示回数であり、クリック率はその表示から視聴につながった割合です。そして平均視聴時間や視聴維持率は、視聴が始まった後に動画がどのように見られたかを表します。
これらは「表示回数×クリック率×視聴維持=再生数」という単純な計算にはなりません。また、すべての再生がインプレッションとして計上される場所から生まれるわけでもありません。YouTubeの公式説明を基準に、動画の担当者はそれぞれの指標の意味を整理して捉える必要があります。
比較する動画の条件をそろえて分析する
公開直後の動画と公開から数か月が経った動画、あるいは短い動画と長い動画では、数字の前提が異なります。また、検索やおすすめなど、視聴者が動画にたどり着いた流入経路による違いもあります。
そのため、分析を行う担当者は、まずテーマや動画の長さ、公開後の期間が近い動画同士を比較します。「クリック率が何%なら必ず良い」といった一律の基準だけで判断するのではなく、自社の近い条件の動画と比べることから始めます。

クリックされないときは、視聴者の期待に応える表現を点検する
サムネイルやタイトルが、「誰に何を伝える動画なのか」を明確に示せているかを点検します。文字が読みやすいかだけでなく、視聴者が何を期待して動画を開くのかを確かめることが大切です。
ただし、クリック率が低いからといって、原因がサムネイルだけにあると決めつけるのは避けます。扱っているテーマ自体の需要や、おすすめなどで表示された場所も関係するため、動画の制作担当者は企画と見せ方の両面から原因を考えます。
途中で離脱されるときは、期待と動画内容のずれを確認する
期待していた話がなかなか始まらない、前提の説明が長すぎる、途中で話題が変わってしまうなど、視聴維持率が落ちている箇所で何が起きているかを実際の映像と照合します。
もっとも、離脱のすべてが悪いとは限りません。視聴者が知りたい答えを得られたことで満足し、視聴を終えた可能性もあります。分析を行う担当者は、維持率のグラフの形だけで良し悪しを結論づけず、動画の目的や役割とその場面の内容を照らし合わせて判断します。
変更内容を記録し、次の改善の判断につなげる
サムネイル、タイトル、動画の冒頭を同時に変更してしまうと、どの変更が結果に影響したのかが分かりにくくなります。できる限り変更する箇所を絞り、担当者は変更した日時と結果を記録に残します。
おすすめ機能をはじめとする配信の仕組みは、2つの指標だけで説明しきれるものではありません。管理画面の数字は原因を断定する答えではなく、動画のどの部分を確認すべきかを探すための手がかりです。単なる感想で終わらせず、次に検証する仮説へとつなげていきます。
数値の状態から次に確認する箇所を選ぶ
動画の制作担当者は、公開後の経過日数が同じ動画、近いテーマの動画、同じ流入元の動画を中心に数値を比較します。次の表は調査の順序を決めるための目安であり、原因を自動的に判定するものではありません。
| 状態 | 次に確認すること | 検討する修正 |
|---|---|---|
| 表示回数が少ない | テーマの対象者、流入元、比較対象の条件 | 企画テーマと視聴者への届け方 |
| 表示されるがクリックされにくい | タイトルとサムネイルが何を約束しているか | 言葉・写真・主題の伝え方 |
| クリックされても冒頭で離脱する | 期待した情報が冒頭で示されているか | 前置きと本題の順序 |
| 途中の特定箇所で離脱する | 説明が重複・脱線・不足していないか | 該当箇所の構成 |
動画の制作担当者は、視聴回数を「表示回数×クリック率×視聴維持率」という単純な計算では捉えません。各指標は対象範囲や役割が異なるためです。修正を行った後は、変更日時と変更内容を記録し、流入元や公開期間の違いも含めて効果を判断します。
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文・編集:One Rep編集部。関口楽の原稿をもとに、企業の動画活用について解説しています。
